1998 Fiscal Year Annual Research Report
エマルショントラッカーによるニュートリノ振動の探索
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09044102
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
渋谷 寛 東邦大学, 理学部, 助教授 (40170922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WILQUET Gast 国立科学研究財団, ブラッセル大学, 上級研究員
小川 了 東邦大学, 理学部, 助教授 (10256761)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 原子核乾板 / エマルショントラッカー |
Research Abstract |
昨年度までにエマルショントラッカー(ET)の製作と設置、ニュートリノ照射とデータ収集、現像等の処理は終了している。今年度は共同研究者達と議論しながらその解析をすすめた。今年度行った事およびその成果は以下の通りである。 1 ファイバー検出器により較正用ミューオンビームを再構成してET上に外挿しその予想位置、角度に基づいてミューオン飛跡をET上で検出して3層のET相互の位置関係較正を行った。G.Wilquet教授らとの議論に基づいて各ETのわずかな非平面性を新たに補正することにより、各層約20μmの精度で位置関係を較正できることがわかった。 2 同様に、ニュートリノ反応から放出されたミューオンを再構成し、その予想位置、角度に基づいてミューオン飛跡をET上で検出して、運動量を測定した。ミューオンスペクトロメーターによって測定された値と比較することにより、ETによる運動量測定精度は、Δp/p〜√<(0.22)^2+(0.010×p)^2>(ただし、運動量pの単位は[GeV/c])で与えられる事がわかった。これはファイバー飛跡検出器と比べ3倍以上の精度の向上で、提案通り運動量測定可能領域を30GeV/cまで拡張できることを明らかにした。 3 さらにニュートリノ反応から放出されたハドロンについても測定を開始し、ハドロン運動量測定の効率を議論した。 来年度から標的部に蓄積されたニュートリノ反応の完全解析を行う予定で、崩壊候補は多数検出されると予想されている。それらの崩壊候補の娘ハドロンの飛跡をET上で探索し、タウレプトン崩壊か否かの判断のための貴重なデータを提供する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Eskut et al.,: "A search for ν_μ→ν_τ oscillation" Physics Letters B. 424. 202-212 (1998)
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[Publications] E.Eskut et al.,: "Search for ν_μ→ν_τ oscillation using the Τ decay modes into a single charged particle" Physics Letters B. 434. 205-213 (1998)
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[Publications] P.Annis et al.,: "Observation of neutrino induced diffractive D^<*+>_S production and subsequent decay D^<*+>_S→D^+_S→Τ^+→μ^<3+>" Physics Letters B. 435. 458-464 (1998)