1997 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙・上層大気中に存在する有機物の分光と反応性に関する共同研究
Project/Area Number |
09044108
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
川口 建太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40158861)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BLAKE G.A. California Institute of Tehnology, Associate
COHEN E.A. Jet Propulsion Lab. Earth and Space Scien, Research S
山口 靖 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80283472)
平原 靖大 名古屋大学, 理学部, 助手 (30252224)
|
Keywords | 星間分子 / Hale-Bopp / フリーラジカル |
Research Abstract |
分子の回転スペクトルの観測によって、これまで約1OO種類の星間分子が発見されている。低温暗黒星雲が重力収縮により進化し、温度が上昇した星形成領域においては、サイズの大きな有機化合物が多く見いだされているが、そのスペクトル線の帰属および生成機構については説明できない部分が多く残っている。本研究ではサブミリ波・遠赤外から可視・紫外光領域における星間物質の候補となる分子スペクトルの正確な帰属を実験室で行い、宇宙における有機分子が星間雲の物理進化に伴って如何に生成しているかをミリ波・サブミリ波望遠鏡での観測によって調べた。野辺山では CH_2D ラジカルの赤外スペクトルの解析により純回転遷移の周減数を決定した。また CH_2OH ラジカルのスペクトルを検討し、新しい吸収セルの製作を行った。カルテックでは発見以来50年以上経っても依然解決されていないDiffuse Interstellar Bands(DIB)の解明、星間分子として重要な炭素鎖分子の電子遷移を測定するためにOptical Parametric Oscillatorの整備、パルス放電ノズルの製作を行った。 彗星は我々の太陽系が形成されたときの組成を保持していると考えられ、その観測は特に星形成領域の化学過程として提唱されているモデルの検証となる。本研究では野辺山45m電波望遠鏡を用いてHale-Bopp彗星におけるHCN,HNCの分布に関する情報を得、CH_3OH 分子の多くの回転遷移を観測し、励起温度の決定などを行った。カルテックでは電波干渉計により、HCN,HNCの分布の詳細を調べた。
|