Research Abstract |
本研究計画は,日韓が協力して,東アジアの気候変動,黄砂,酸性雨,雪氷,植生変動,大気・海洋循環,汚染等の問題で,学術的科学的情報を交換し,学術研究のための衛生データ,地上検証データ,グローバルなデータセットの収集と交換に協力し宇宙からの東アジアの環境に関する共同研究を推進することを目的とする。 衛星を利用した地球環境の研究において,我国には1日の長があるが,前5回の日韓シンポジュウムで刺激を受け,韓国側も体制を整え,表記の課題と同じタイトルで長期間に及ぶ大規模なプロジェクト(Project EMSEA : Environ mental Monitoring from Space of East Asia)を計画し,衛星の受信・処理システムの建設をKAISTの崔教授を中心に具体化し,本年度にはリモートセンシングセンターの建設に着手した。広域に渉る東アジアの環境を解明するためには,近隣の国々が検証データを交換し,共同研究を推進することが不可欠であり,先方には我国との共同研究を強く希望している。日韓両国が手を携えて研究を進めていくために,先方の研究者と意見を十分に交換し,有効な共同研究を行う方策を調査することも本研究の大きな目的である。 本年度の全体会議は,平成9年11月5日,6日,7日に第6回EMSEA Symposiumを釜山で開催し,日本側19件,韓国側29件の研究発表会を開き,韓国側から多数の参加者があり,盛会であった。年々,研究のレベルが高くなり,双方の研究が進展していることが伺われる。その席上,韓国リモートセンシング学会より,両国の代表である崔,高木教授に対して日韓の交流に貢献した功績により名誉員が送られた。全体会議の前後は,両方の研究者が,共同で研究すべきテーマを提案し,具体的な検討を行い,各テーマ毎に共同研究としての案を作成することにした。その結果,本年度から開始したエアロゾルに関する共同研究は,この会議の前後にもソウル,大田で会合を開き,成果も大きく,来年度も続けることが決まった。また,海洋関係,土地利用関係の共同研究が提案され,双方の関係者で具体案を作成することとなった。
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