1997 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯性マングローブ河口域の生態系の保全に向けての物理機構の解明
Project/Area Number |
09044166
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中辻 啓二 大阪大学, 工学部, 教授 (10029324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GONG Wooikho マレーシア理科大学, 生物学部, 助教授
ONG Jin Eong マレーシア理科大学, 海洋海岸研究センター, 教授
出口 一郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029323)
村岡 浩爾 大阪大学, 工学部, 教授 (90029017)
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Keywords | エスチュアリ- / マングローブ / 亜熱帯地域 / 物質輸送 / 成層効果 / 潮流 / 現地観測 / 数値モデル |
Research Abstract |
USM(マレーシア理科大学)との学術交流は平成4・5年度文部省科学研究費補助金・国際学術研究(英国ブラッドフォード大学と大阪大学)で研究対象をマレーシア国北西海岸のマ-ボック河口を選んだ時から始まっている。1993年に日・英・馬の研究者が集まり、マ-ボック河口の支川であるブジャン河口での現地観測の計画を立てた。翌年から観測が実施されたが、失敗を繰り返し、ようやく1996年11月に実施した観測でデータを入手することができた。本年度はこの観測データを解析するとともに、日本側では物理機構の諸過程のモデル化の検討を、マレーシア側はより精度の高い現地観測の継続をすることにした。そのために、日本側は12月にUSMを訪問し、現地を再度視察するとともに、データの解析に必要な気象データ、観測精度、計測器の設置状況、等々の確認を行った。また、マレーシア側は3月に来日し、モデルに生態学的見地からの知見を加えるための意見交換を行った。具体的な内容はつぎのとおりである。 (1)1996年11月の観測は河口と上流側2地点で流速、塩分、水温、潮位が15昼夜連続して計測されており、大潮時、小潮時の物理性状を反映した結果が得られた。すなわち、マングローブ河口特有の「河口での流速変動に観られる非対称性」と上げ潮時における流速ピークの二度の出現」が認められた。 (2)小潮時の降雨では弱混合状態で成層化が明瞭に認められた。 (3)上記の観測結果から、モデル化の必要条件として、河川の低水路に対応するクリークでは成層状態を表現できる3次元バロクリニック流れのモデル、そして氾濫原に相当するスオンプでは進入水の挙動を明確に表現する機能を有した平面二次モデルの適用が必要であることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中辻 啓二: "マングローブ水域におけるクリーク・スオンプ等の3次元流動の数値モデル化" 海岸工学論文集. 41. 1156-1160 (1997)
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[Publications] Nakatsuji, K.: "Coupling 2-D and 3-D Modelling of Creek and Swanp System in Mangrove Estuary" 11 th Conference of IAHR-APD. (発表-予定). (1998)
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[Publications] 安田 幸司: "マングローブ水域の流動特性-Bujang Estuaryにおける現地観測" 土木学会関西支部年次学術講演. (発表-予定). (1998)
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[Publications] 安田 幸司: "プジャンエスチュアリ-における現地観測と数値実験" 土木学会年次学術講演会講演概要集. 53(発表-予定). (1998)