1998 Fiscal Year Annual Research Report
大規模非同期パルス伝搬ネットワークの実現とその計算原理の解析及び応用の研究
Project/Area Number |
09044183
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
堀尾 喜彦 東京電機大学, 工学部, 助教授 (60199544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUYAMA Ken コロンビア大学, 電機工学科, 助教授
合原 一幸 東京大学, 工学部, 教授 (40167218)
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Keywords | 脳のモデル / ニューラルネットワーク / 実数演算 / アナログVLSI / 非線形システム / 力学系 / ニューロンモデル / ダイナミカルアセンブリ |
Research Abstract |
近年、脳の生理学的研究および数理的な理論研究より、脳特に大脳皮質中のニューロンは、多数の他のニューロンからの活動電位の詳細な時間情報を利用して高度な情報処理を実現しているのではないかとの仮説が脚光を浴びている。このようなニューロンはいわゆるコインシデンスディテクタとして動作し、複数のニューロンの協調的な(相関の強い)発火により情報が表現され、処理されている。このようなニューラルネットワークモデルにおいては、ニューロンの内部状態の連続性と、パルス伝搬時間の連続性が重要になる。すなわち、値も時間も連続な系として実現されていなければならない。このような、連続値・連続時間系では、実数を直接扱うことができるため、従来の有理数しか扱えないディジタル計算機に比べ、格段に高度な計算が実現できる。 本研究では、連続な時間も値も扱うことが可能なアナログ電子回路で新しいニューロンモデルを構築し、これを用いて脳がおこなっている情報処理様式を研究することが目的である。そのため、非同期パルスニューラルネットワークモデルをアナログCMOS半導体技術を用いて集積回路化した。回路化したニューロンは、入力される多数の重み付けされた電圧パルスの入力タイミングに敏感に反応し、これらのパルスの一致性を検出して発火する。さらに、どのようにパルスが入力されてきたかの時間履歴によりその発火のタイミングを連続的に変化させる。また、これらニューロンをつなぐシナプスおよび軸索回路では、パルスの伝搬遅延を連続時間で変更でき、さらに結合重みも可変とした。これらの回路をつなぎ合わせて構成したネットワークでは、パルスの相関により情報をコードしているニューロングループが構成されるような、ダイナミカルセルアセンブリの自己組織化が可能である。このような、連続時間で連続値による計算は、従来のディジタルコンピュータでは実現不可能であり、本研究により初めてその実装の可能性が示された。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] M.Hanagata,Y.Horio and K.Aihara: "Asynchronous pulse neural network model for VLSI implementation" Trans.on Fundamentals,IEICE. E81A,9. 1853-1859 (1998)
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[Publications] Y.Horio: "Switched-capacitor multi-internal-state chaotic neuron circuit with unipolar and bipolar output functions" Report of the Research Institute for Technology,Tokyo Denki University. 9,1. 1-2.1-1-2.11 (1999)
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[Publications] 当麻喜弘,三谷政昭,斉藤剛,稲葉博,堀尾喜彦,簑原隆: "ニューロ素子の高機能化とニューラルネットワークの高次処理に関する研究" 東京電機大学総合研究所年報. 17. 147-156 (1998)
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[Publications] 花形満,堀尾喜彦,合原一幸: "VLSI化を目的とした非同期パルスニューラルネットワークモデル" 電子情報通信学会技術報告. NLP97,530. 29-35 (1998)
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[Publications] Y.Horio,K.Yasuda,M.Hanagata and K.Aihara: "An asynchronous pulse neural network model and its analog IC implementation" Proc.Int.Conf.on Electronics,Circuits and Systems. 3. 301-304 (1998)
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[Publications] Y.Horio,M.Hanagata and K.Yasuda: "An asynchronous pulse neural network model and its analog circuit implementation" Proc.Int.Symp.on Artificial Life and Robotics. 2. 336-341 (1998)
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[Publications] 渡来賢一,堀尾喜彦: "連続時間遅延を持つ軸策回路の一構成法" 電子情報通信学会全国大会論文集. 1. 22 (1998)
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[Publications] 安田和秀,花形満,堀尾喜彦: "非同期パルスニューロンモデルの集積回路化" 電子情報通信学会全国大会論文集. 1. 65 (1998)
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[Publications] K.Yasuda,M.Hanagata R.Kasahara and Y.Horio: "Analog circuit implementation of asynchronous pulse neural network model" Proc.Int.Symp.on Nonlinear Theory and Its Applications. 2. 853-856 (1997)
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[Publications] M.Hanagata and Y.Horio: "A modified asynchronous pulse neural network model for VLSI implementation" Proc.Int.Symp.on Nonlinear Theory and Its Applications. 2. 849-852 (1997)
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[Publications] M.Hanagata and Y.Horio: "An asynchronous pulse neural network model with finite pulse width for VLSI implementation" Proc.Int.Conf.on Neural Information Processing and Intelligent Information Processing and Intelligent Information Systems. 1. 26-29 (1997)
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[Publications] M.Hanagata and Y.Horio: "A modified asynchronous chaos neural network model for VLSI implementation" Proc.Int.Symp.on Circuits and Systems. 1. 657-661 (1997)
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[Publications] 堀尾 喜彦: "カオスニューロコンピュータ" Computer Today. 14,5. 14-21 (1997)