人間およびロボットの両側制御と視覚認知機構に関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09044189
• Research Category: Grant-in-Aid for international Scientific Research
• Section: Joint Research .
• Research Institution: Kansai University
• Principal Investigator: COOK ND. 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00268319)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): THEODOR Land ジュネーブ大学, 神経生理学科, 教授 ; ROLF Pteifer チューリッヒ大学, 情報科学科, 教授 ; 林 武文 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (90268326) ; 乾 敏郎 京都大学, 文学部, 教授 (30107015)
• Keywords: 知能ロボット / 両側制御 / ヒューマン・ビジョン / ニューラルネットワーク / 認知心理学 / 神経心理学 / 視覚情報処理

Research Abstract

研究プロジェクトの初年度である平成9年度は、ロボットの両側制御モデルの基本検討、視覚センサシステムの構築、視覚心理実験装置の構築および生理実験に関する基礎的な検討を行った。両側制御モデルに関しては、左右大脳半球に対応する2つの自己組織化ネットワークを脳梁の抑制結合(DOGフィルタ)で接続することにより、行動に伴って周辺情報を想起することが可能であり、ロボットの行動制御に有効であることを数値実験により確認した。この基本モデルに基づいて、空間行動や学習機能の検討を開始した。また、実験用小型ロボットに視覚センサ(CCDモジュール)を搭載し、対象物や環境の認識実験を行うためのシステムの構築を進めた。心理実験に関しては、単眼立体視と両眼立体視の評価および身体(頭と腕)の動きをフィードバックすることが可能な視覚心理実験装置の開発を進めた。本実験装置を用いて運動視差に基づく単眼立体視と両眼立体視の空間周波数特性を評価したところ、両者の間には類似性がみられ、面再構成過程の計算メカニズムの解明とモデル構築に有効な知見が得られた。この結果に基づく両眼立体視の神経回路モデルも考案している。さらに、生理実験として、脳波計測の他にFMRIを用いた実験の検討にも着手した。

Research Products

• [Publications] 林 武文, 乾 敏郎: "運動視差による面再構成過程の心理物理学的検討(I)" 信学技報HIP97. 26. 115-122 (1997)
• [Publications] 林 武文, 乾 敏郎: "単眼立体視のMTFに及ぼす両眼視差の影響" 日本心理学会大会論文集. (発表予定). (1998)
• [Publications] 朝倉 暢彦, 乾 敏郎: "立体視力の神経生理学的機構" 信学技報HIP97. 6. 1-7 (1997)
• [Publications] 林 武文(分担執筆)臼井 支朗編: "脳・神経システムの数理モデル(第7章視覚の計算論モデル)" 共立出版, 172 (1997)
• [Publications] Rolf Pteifer: "New AI" MJT Press, 250 (1989)