1998 Fiscal Year Annual Research Report
人間およびロボットの両側制御と視覚認知機構に関する研究
Project/Area Number |
09044189
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
COOK N.O. 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00268319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THCODOR Land ジュネーブ大学, 神経生理学科, 教授
ROLF pfeifer チューリッヒ大学, 情報科学科, 教授
林 武文 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (90268326)
乾 敏郎 京都大学大学院, 情報学研究所, 教授 (30107015)
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Keywords | 知能ロボット / 両側制御 / ヒューマン・ビジョン / ニューラル・ネットワーク / 認知心理学 / 神経心理学 / 視覚情報処理 |
Research Abstract |
平成10年度は、(1)両側性ニューラルネットワークモデルの対象物認識への適用、(2)両眼および単眼の奥行き推定に関する心理物理実験、(3)両眼立体視のモデルの構築に関する検討を中心に研究を進めた。両側性ニューラルネットワークモデルに関しては、脳梁の抑制結合(DOGフィルタ)で接続した自己組織化マップに対し、活性度の高い部分にラベリングを施した言語マップを用い、それによる対象物の認識率に関する評価を行った。その結果、ノイズの多い環境では、両側性をもたせることにより認識率が向上することが明らかとなった。心理物理実験に関しては、両眼立体視と運動視差による単眼立体視における奥行き推定の実験を進めるとともに、新たに眼球運動の評価を行った。その結果、運動視差に基づく単眼立体視では、平均速度場の検出とそれに追随する活動性眼球運動とサッケードの繰り返しパタンか立体視に不可欠であることが明らかとなり、前年度の結果を踏まえて、面再構成過程について考察を加えた。また、HMDを用いた実験により、身体の動きの影響について評価を開始した。両眼立体視のモデルは、ベイズ推定に基づく表面形成のモデルを提案し、種々の心理物理実験の結果の予測が可能であることを示した。引き続き、モデルの改良と評価を行うとともに、実験用ロボットへのインプリメントを検討する。また、生理実験の脳波計測とf-MRIの実験に関する検討を継続する。
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[Publications] N. D. Cook and T. Hayashi: "Activation of Verbal Labels on Bilaceral Self-Organized Maps" Proceedings on ICONIP'98. 5. 1474-1477 (1998)
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[Publications] N.D.Cook: "Simulating consciousness in a bilateral neural network" Consciousness and Cognition. in press. (1999)
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[Publications] 朝倉暢彦・乾敏郎: "ベイズ推定による両眼視差からの表面知覚モデル" 電子情報通信学会論文誌D-III. J81-DII. 760-768 (1998)
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[Publications] 笹岡貴史・乾敏郎: "三次元ステイックパターンの脳内表現" 信学技報 HIP. 36. 31-38 (1998)
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[Publications] 林武文・乾敏郎: "動的立体視メカニズムの研究" 関西大学総合情報学部紀要「情報研究」. 9. 103-119 (1998)
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[Publications] 土井信也・林武文・N.D.Cook: "両側性をもつ自己組織化マップによる物体認識" 電子情報通信学会全国大会予稿集. 発表予定. (1999)
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[Publications] N.N.Nikolaenko ed Norman Cook: "Brain Pictures" Kansai University, 114 (1998)