1998 Fiscal Year Annual Research Report
南極での自然界超長期保存を中心とした生物・地球環境試料保存国際ネットワークの構築
Project/Area Number |
09044190
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (70192739)
柴田 康彦 国立環境研究所, 化学環境部, 室長 (80154251)
渡辺 興亜 国立極地研究所, 研究主幹教授 (60111861)
中村 桂子 生命誌研究館, 副館長 (00211433)
岡田 東一 福井工業大学, 工学部, 教授 (40028999)
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Keywords | ドームFuji / 月極クレーター / 地球環境評価 / 環境ホルモン / 生物試料保存 |
Research Abstract |
新千年紀を期して,世界中の生物の,種子,胞子,精子,卵子,始源生殖細胞のような生殖細胞類を地球環境試料とともに南極の高地ドームFおよび月の極のクレータ底に埋め,20年50年単位の遺伝子レベルでの地球環境評価の研究に役立てるとともに,1,000年先の未来の人類に届ける計画である。これを「生物・環境タイムカプセル2001計画」と呼ぶ。これを実現するための国際共同研究および調査を行っている。 【実験】 南極ドームF(標高3,810m)の水面下20mは地球上で超長期保存に最適な地点であるが,温度がやや高い(-58℃)。ただし温度変化皆無で無震動である。このような環境下では,-100℃以下から非常にゆっくり昇温して,-58℃で一定温度に保てば,冷却の場合の過冷却に対応する過昇温状態となることが期待され,氷晶変化が起こらず,これまで知られているよりも多くの生物種の生殖細胞が超長期保存できる可能性がある。江藤は無震動で温度を上下する実験手法を開発した。細井はこれを用いて生物細胞に対して過昇温状態が成立するかどうか実験している。岡田は既に提案した超長期温度記録装置に使う金属のクリープ特性について高精度の実験を継続している。柴田は環境ホルモン物質の長期保存性について実験している。渡辺・中村は,ミズホ基地で採取された氷柱試料を用いて,南極氷床コア中の微粒生物試料のDNA解析の可能性を実験的に検討した。 【調査】 大西・江藤はアメリカの種子保存状況の調査と,環境試料および種子保存技術に関する技術情報の交換を行った。細井は米国の動物生殖細胞保存について,柴田・江藤はドイツの環境試料バンクで,環境ホルモン物質の保存と分析について共同研究を行った。 【研究報告】 環境技術特集号として,生物・環境タイムカプセル計画を組んで頂き,これまでの研究成果をとりまとめて報告した。 (以上800字)
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[Publications] 江藤 剛治: "特集にあたって -生物・環境試料タイムカプセル計画の概要と意義-" 環境技術. 27・7. 467-469 (1998)
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[Publications] 渡辺 興亜: "南極氷床,ドームふじ頂上での深層堀削 -30万年を遡る-" 環境技術. 27・7. 470-474 (1998)
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[Publications] 柴田 康行: "環境モニタリングと環境試料の長期保存 -環境の“今"を記録保存する-" 環境技術. 27・7. 475-479 (1998)
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[Publications] 細井 美彦: "生物試料の凍結保存 -(1)動物・凍結細胞動物園" 環境技術. 27・7. 480-481 (1998)
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[Publications] Yoshihiko Hosoi: "Fertilization and development of rabbit oocytes injected with isolated sperm head after activation" Proceedings of International Embryo Transfer Society 25th Annual Conference. in print (1999)
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[Publications] 柴田 康行: "「エルニーニョのインド洋への影響と解析 -西オーストラリア沿岸ルートウイン海流への影響-」" 地質ニュース. 527. 26-31 (1998)