1999 Fiscal Year Annual Research Report
南極での自然界超長期保存を中心とした生物・地球環境試料保存国際ネットワークの構築
Project/Area Number |
09044190
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 興亜 国立極地研究所, 研究主幹教授 (60111861)
中村 桂子 生命誌研究館, 副館長 (00211433)
岡田 東一 福井工業大学, 教授 (40028999)
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (70192739)
柴田 康行 国立環境研究所, 化学環境部, 室長 (80154251)
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Keywords | ドームFuji / 環境モニタリング / 国際試料保存ネットワーク / 環境試料保存 / 生物試料保存 / プリショック・フリージング |
Research Abstract |
1.国際ワークショップの開催 本年度は平成9年度に開始した国際共同研究からみて3年目の最終年度である。 初年度は平成9年11月に大阪で100名(国内から75名,海外から25名)の研究者による国際ワークショップを開催した。今年度は締めくくりとして,平成12年3月に東京で20名の研究者による小規模な国際ワークショップを開催した。 さらに工学院大学と近畿大学の協力を得て,一般市民向けの特別講演会「氷のタイムカプセル」を開催した。公開講演会は270人収容の会場が満席になるほどの盛況であった。 2.海外調査 引き続き,欧米の生物・環境試料の凍結保存プロジェクトの調査を行った。 3.南極ドームFの条件下での保存実験 液体窒素でプリショック・フリージング後,ゆっくり無振動でドームF温度(-58℃)まで昇温させ,そこで一定温度に保つ場合の細胞の保存実験装置を開発した。これをウサギの細胞に適用した。 一定保存時の温度を,-80℃と-30℃の間で変えて細胞の生存率を調べたところ,-40℃と-50℃の間に不安定領域があり,それ以上の温度でも以下の温度でも,高い生存率が得られることがわかった。 ただしこれは無振動一定温度保存時間が20時間の場合の実験である。今後,長時間保存と,温度下降したのち無振動一定保存する場合の実験を継続する予定である。
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[Publications] 江藤剛治: "1千年の未来に届ける生物・環境タイムカプセル"低温生物工学会誌. 45-2. 14-19 (1999)
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[Publications] 江藤剛治: "ミレニアムを迎えるにあたって"土木学会誌. 84-12. 3 (1999)
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[Publications] 江藤剛治: "特集 新しい千年紀を迎えるに際して「みち」:文化の交流と伝播-日本のミレニアム事業-"土木学会誌. 85-1. 26-27 (2000)
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[Publications] 江藤剛治: "これからの河川行政-ミレニアムにあたって-"河川. 642-1. 17-29 (2000)
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[Publications] 細井美彦: "ウシ顕微受精胚の活性化による発生率について"近畿大学生物理工学研究所紀要. 3. 39-44 (1999)
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[Publications] Yoshihiko Hosoi: "Oocyte activation and pronuclear fromation after injection of isolated round spermatid nucleus"Theriogenogy. 53(in print). (2000)
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[Publications] 竿尾博司: "南極高地における生物・環境試料の超長期自然界条件保存のための温度制御技術"平成11年度近畿大学大学院工学研究科博士課程前期課程修士論文. (印刷中). (2000)
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[Publications] 細井美彦他: "生殖ジェネティッスクス"ジェネティクスとクローン. 8 (1999)