1997 Fiscal Year Annual Research Report
酵母人工染色体技術を用いた哺乳動物人工染色体の構築
Project/Area Number |
09044213
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舛本 寛 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70229384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COOKE Howard MRC人類遺伝学研究所, 染色体生物学部門, 教授
HIETER Phili ジョンスホプキンス大学, 医学部, 教授
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Keywords | セントロメア / テロメア / アルフォイドDNA / 酵母人工染色体(YAC) / ヒト人工染色体 / CENP-B |
Research Abstract |
本研究ではヒトセントロメア機能に必須なDNA配列の決定とこのDNAと相互作用する蛋白因子の解明を行うことを目的として、酵母人工染色体(YAC)技術を駆使しヒトセントロメア及びマウス染色体セントロメアに由来する巨大DNA断片を哺乳動物細胞へ導入したとき、宿主染色体外で安定に保持される人工染色体が構築されるかどうかについて解析を進めている。これまでに、ヒト21番染色体セントロメアに由来する約100kbのアルフォイドDNA断片を含むYACの末端にヒトテロメア配列を付加しヒト培養細胞に導入したところ、高頻度で宿主染色体外で安定保持される人工染色体が形成されることを明らかにしている。そこで本年度は以下の研究を実施した。 (1)フラグメンテイションベクターを作成し、このアルフォイドYACクローンに欠失を導入する方法の開発を行った(Hieter研との共同研究)。その結果YACクローンの右アームからの欠失シリーズを得ることに成功した。現在この欠失シリーズの各YACクローンをヒト培養細胞に導入し、人工染色体形成能を検定することによりセントロメア機能に必須なDNA配列の限定を進めている。 (2)マウスセントロメアに由来する巨大DNA断片を含んだYAC DNAクローンもすでに多数得ている。そこでこれらYACクローンの末端をヒトテロメア配列で置換する作業を進めた(Cooke研との共同研究)。目的どうり末端をヒトテロメア配列で置換したYACクローンは得られたが同時に挿入配列の部分的な欠失も引き起こしていた。そこで効率よく組換えを行えるように、組換え部位と選択マーカーを変えた新たなテロメア置換ベクターを構築した。 (3)人工染色体を高頻度で形成したアルフォイドYACクローンをマウス受精卵へ導入し個体での人工染色体形成と安定性を調べるため、受精卵を採取し培養、YACの導入、染色体の観察を行う条件を確立した。
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