1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09044217
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小田 順一 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 亨 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (50293949)
加藤 博章 京都大学, 化学研究所, 助手 (90204487)
WAKATSUKI So ヨーロッパシンクロトロン放射光施設, ビームライン責任者
SCHLICHTING イルメ マックスプランク分子生理学研究所, グループ主任
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Keywords | 時分割X線結晶解析 / 酵素 / タンパク質結晶学 / ケージド化合物 / 反応の同調 / ラウエ法 |
Research Abstract |
酵素をはじめとする機能タンパク質の作用を探るには、実際に働いている状態の構造を直接見ることが必要である。本研究では、時間分割X線結晶解析の手法を用いて、グルタチオン合成酵素の反応途中に生じる寿命の短い活性型酵素基質複合体を直接捕え、その立体構造を原子レベルで明らかにすることを目的とした。そのために、グルタチオン合成酵素自身の作用によりATPからのリン酸化を受けて強力な阻害剤へと変換される遷移状態アナログ(TSA)を基質の変わりに用いた。この反応は二段階で反応することから、一段階目の複合体であるリン酸化される前のTSA:酵素複合体を捕らえることを目的とする系を設計した。すなわち、caged-ATP:遷移状態アナログ:酵素複合体にキセノンフラッシュを照射し、二段階で進行することが判明している酵素と遷移状態アナログとの反応のうち、一段階目の複合体の構造をを捉えようとするものである。そのために、白色X線を用いたラウエ法あるいは単色X線とフラッシュ冷却法の併用による時間分割X線結晶解析を行った。ラウエ法は時間分解能に優れているが、低角の回析強度の欠落と結晶に対するダメ-ジが大きいという欠点があり、本研究では、単色X線法でそれを補う計画であった。ヨーロッパシンクロトロン放射光施設(ESRF)にてラウエ法のデータ収集を行うことにより、良質なデータを得ることに成功した。データ処理プログラムは、ESRFで開発されたものを京大化研に移植することにも成功した。解析の結果、ATPによるリン酸化を受ける直前のTSAの構造を捕らえるができた。また、その後リン酸化を受けるまでを時間分割測定により捕らえることにも成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 加藤 博章: "酵素の四次元構造-時分割X線結晶解析で反応途中の酵素を見る" バイオサイエンスとインダストリー. 55(7). 32-34 (1997)
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[Publications] 加藤 博章: "ラウエ法を用いたグルタチオン合成酵素の時分割X線結晶構造解析" News Letter(重点領域研究:動的蛋白結晶解析). 4(1). 76-76 (1997)
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[Publications] 中津 亨: "Crystal structure of asparagine synthetase reveals a close evolutionary relationship to close II aminoacyl-tRNA synthetase" Nature Struct.Biol.5(1). 15-19 (1998)
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[Publications] 山下 敦子: "Crystallization and preliminary X-ray study of tropinone reductase II" Acta Crystallogr.D. (in press).