1997 Fiscal Year Annual Research Report
C_1微生物に特異な新規結晶酵素の構造と反応機構の解明
Project/Area Number |
09044224
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
クック ポール.F オクラホマ大学, 化学生化学部, 教授
田辺 忠 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 部長 (60025624)
長澤 透 岐阜大学, 工学部, 教授 (60115904)
緒方 靖哉 九州大学, 農学部, 教授 (20038277)
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 助手 (00233106)
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Keywords | C_1微生物 / メチロトローフ / Hyphomicrobium methylovorum / イソクエン酸リアーゼ / セリン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ / ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ / X線結晶解析 / 動力学的反応機構 |
Research Abstract |
今年度の本研究の研究実績はつぎのようにまとめられる。 (1)C_1微生物に特異な新規酵素の精製と大量調製および酵素化学的特性の解明 C_1微生物Hyphomicrobium methylovorumの特異な新規酵素イソクエン酸リアーゼ(ICL)の精製と性質および一次構造の解析を行った。すなわち、まずHyphomicrobium属細菌におけるICL活性の分布について再検討した結果、SH保護剤としてジチオスレイトールゐ粗抽出液に添加し、ICL活性を特異的に測定することにより、すべてのHyphomicrobium属細菌に有意なレベルのICL活性が検出された。そこでH.methylovorum GM2からICLをメチロトローフとして初めて単一に精製し酵素化学的性質を解明した。酵素のサブユニット分子量62kDaのホモテトラマ-で、コファクターとしてMg^<2+>を要求した。またコハク酸、シュウ酸、グリコール酸等によって強く阻害されることがわかった。これらの性質はC_2化合物代謝に関与するICLの性質と類似していた。セリン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(SGAT)については高発現ベクターを有するE.coli pKK223-3/SGATを37度14時間振とう培養を行って得られた菌体を用いて酵素の大量精製を行った。湿菌体を50mMリン酸バッファーに懸濁して超音波破砕して無細胞抽出液を得、硫安分画、DEAE-Sephacelカラムクロマトグラフィー、Sepharose 6Bゲルろ過カラムクロマトグラフによって精製し、電気永動的に単一の標品100mg以上を得ることができた。 (2)C_1微生物に特異な新規酵素の結晶化とX線結晶解析 ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(HRP)についてはすでに成功しているアポ型酵素の結晶化法を基に補酵素NADを結合させたホロ型酵素のbipyramid形の結晶を調製しX線結晶解析を行った結果、NADが予想された結合部位に入っていることがわかった。さらにアポ型の構造の触媒部位と基質結合部位の間のクレフトの角度に変化が起こっているという予想に反してアポ型のタンパク質と構造がほとんど変わらなかった。さらにホロ型酵素の結晶と本酵素の基質アナログとから基質-酵素複合体の結晶を取得したので、現在X線結晶解析中である。SGATについてはE.coli pKK223-3/SGATが生産した精製酵素をCrystal Screen Iを用いてhanging drop法により結晶化を行った結果、菱形板状の結晶を得た。この結晶化条件をもとにさらに現在良質の結晶を得るべく条件検討中である。 (3)C_1微生物に特異な新規酵素HPRの酵素化学的反応機構および動力学的反応機構の解析 SGATについてCook教授のグループによりストップドフロー法やCD、同位体標識した基質を用いて反応動力学的解析の研究が進行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshikazu Izumi: "Characterization,gene cloning and expression of tsoctratc tyase tnvotved in the assimijation of one-carbon compounds in an obligate methylotroph,Hyphomicrobium methylovorum GM2" European Journal of Biochemisty. 249,3. 820-825 (1997)
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[Publications] Yoshikazu Izumi: "Cloning and analysis of the genes for methanol oxidation in a methylotrophic bacterium,Hyphomicrobium methylovorum GM2" FEMS Microbiology Letters. 154,1. 397-401 (1997)
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[Publications] Tadashi Tanabe: "Inverse gene expression of prostacyclin and thromboxane synthascs in resident and activated peritoncal macrophages" FEBS Letters. 409,2. 242-246 (1997)
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[Publications] Peter Brock: "Structural basis for the activation of phenylalanine in the non-ribosomal biosynthesis of gramicidin S" EMBO Jorunal. 16,14. 4174-4183 (1997)
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[Publications] Peter Brock: "Crystal structure of carboxypeptidase G2,a bacterial enzyme with applications in cancer therapy" Structure. 5,3,. 337-347 (1997)
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[Publications] Paul F.Cook: "Expression Purification,and Characterization of Recombinant NAD-Malic Enzyme from Ascaris suum" Protein Expression and Purification. 10,1. 51-54 (1997)