1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09044242
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
山森 哲雄 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80260206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BATINI Cisir フランス国立中央科学研究所, 名誉主任研究員
KADO Raymond フランス国立中央科学研究所, 名誉主任研究員
木津川 尚史 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10311193)
小峰 由里子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90280586)
渡我部 昭哉 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40290910)
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Keywords | 長期記憶 / 小脳LTD / 遺伝子表現 / パッチクランプ |
Research Abstract |
本研究は,3年間にわたる国際共同研究であるが,2年目にあたる本年度は,記憶学習と遺伝子発現の関わりについての研究を引き続き行い,以下の成果をあげた. 1) 理化学研究所の脳総合科学研究所の細胞情報チーム(矢野良治チームリーダー)と共同研究を行い培養プルキンエ細胞に於て,共刺激特異的に発現する遺伝子群の分離解析を行って来たが,その中で,ラット脳特異的に発現する新規反復配列遺伝子(Bsr:braia specific repetitive)発見し,その解析を行った.その結果,Bsr遺伝子は,海馬の錐体細胞,小脳プルキンエ細胞,嗅球の僧帽細胞等の分化の早い大きな細胞に多く発現がみられた.Bsr遺伝子は,150コピーほどの反復配列であるがFISHによる解析から染色体上の一箇所に集中していると考えられる.驚いたことに,この遺伝子はラット属にしか存在せず,他の動物種には存在しないことが解った.この遺伝子は,有意なORF(open read-ing frame)を持たず,しかも,核内にそのmRNAが局在することから,おそらく核内RNAとして機能すると考えらるが,その解析は今後の課題として残っている(印刷中). 2) 小脳LTD下における遺伝子発現の役割について理化学研究所脳総合科学研究所の伊藤正男チームと引き続き共同研究を行なった(投稿準備中). 3) Kado博士とBatirli博士と共同で,in vivoでの小脳LTDの条件検討を行った. 4) 視聴覚弁別学習下での遺伝子発現を京大霊長研の櫻井芳雄博士と共同で行い,学習依存的な遺伝子発現を観察した.
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Research Products
(1 results)