1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しいDifferential display法の開発とその応用
Project/Area Number |
09044273
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安河内 幸雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60037398)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ワイズマン シャーマン エール大学, 医学部, 教授
渡辺 照男 筑波大学, 医学専門群, 教授 (40037396)
土屋 輝昌 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20242109)
|
Keywords | differential display / ヒト胎児脳 / in situ hybridization / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
われわれが開発したDifferential display法をヒト胎児脳(19胎生週)と成人脳(60才)に発現している遺伝子に適用した。胎児脳に強く発現している26個のcDNAのうち、3個が既知の遺伝子で、22個がESTであった。しかしA31と名付けたクローンはどのシーケンスとも有意義なホモロジーを示さなかった。この長さは343bpでterminal signal(AAUAAA)を持っていたが、open reading frameは認められなかった。またAUUUAモチーフを持っていた。RT-PCRおよびnorthern解析によるとA31は胎児脳にのみ発現し、約9Kbの単一バンドであった。また発現を時期的にみると、12から19胎生週まで発現し、23胎生週から新生児期および老年期にはノーザン解析で検出されなかった。また19胎生週の各組織では大脳と脳幹にのみ発現し、肺臓、心臓、肝臓、すい臓、脾臓などでは検出されなかった。次にin situ hybridizationにより、19胎生週の大脳におけるA31 mRNAの発現分布を調べた。脳の冠状断の切片をDIG-labelldcRNAでhybridizeした。sennse cRNAprobeでは微弱なシグナルしか認められなかった。antisennse cRNA probeでは胎児脳の特定の領域に顕著に発現していた。大脳ではcortical plateとventricularzoneの未熟なneuronに存在していた。またhippocampusとcerebellumの皮質にも存在していた。細胞レベルではmRNAはneuronの細胞体とdendriteに発現していた。その発現パターンは不均一で、核よりも細胞質、そしてとくにdendriteの近位に最も強く、axonには存在しなかった。
|