1998 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の病態形成におけるサイクリン依存性キナーゼ5(Cdk5)の役割
Project/Area Number |
09044317
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Research Institution | Kagawa Medical University |
Principal Investigator |
徳田 雅明 香川医科大学, 医学部, 助教授 (10163974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 勝良 香川医科大学, 医学部, 客員教員
宮本 修 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00253287)
小林 良二 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020917)
山口 文徳 香川医科大学, 医学部, 助手 (40271085)
板野 俊文 香川医科大学, 医学部, 教授 (60145042)
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Keywords | アルツハイマー脳 / Cdk5 / p35 |
Research Abstract |
アルツハイマー脳とそれにマッチする正常脳においてアルツハイマー病の進行状態とCdk5とp35の発現動態の関連を解析する。また同じアルツハイマー脳において部位による差があるかどうかを、特に前脳(11例)と海馬(4例)とで比較検討した。 1. Cdk5/p35の活性を特異抗体を用いた免疫沈降法を用いて測定したところ、アルツハイマー海馬においてコントロールに比べて、約30%高い活性が検出された。また前脳においては、大きな差は認められなかった。高度のアルツハイマー脳においては、かえって活性は低下した。Cdk5の蛋白質としての発現量を、Western blot法により解析したが大きな差は認められなかった。むしろ制御タンパク質としてのp35の量において、増加が認められ、酵素活性上昇のメカニズムとして重要と思われた。 2. Cdk5/p35の活性を制御している因子として、アクティベーターやインヒビターの可能性のある蛋白質を検討した。カルシウム結合蛋白質を解析したところ、S100A及びBでは、促進も抑制も示さなかった。我々がクローニングしたカルシウム結合蛋白質calbrainを用いた解析では、活性化を示した。すなわちCdk5の5〜10倍量において、約2〜3倍の活性化を示したが、10倍以上の過剰量になるとかえって抑制を示した。さらに詳しいキネティクスの解析を行っている。 3. Cdk5活性がリン酸化により制御されている可能性につきリコンビナントのCdk5とp25を用いて検討したが、A-kinase,C.kinase,Ca/CaM-kinase 2,casein kinaseによってはリン酸化を受けず活性も変化しなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Oyama: "Two distinct anti-allergic drugs,amlexanox and cromolyn,bind to the same kinds of calcium binding proteins,except calmodulin,in bovine lung extract" Biochem.Biophys.Res.Commun.240. 341-347 (1997)
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[Publications] M.Tokuda: "Regulation of neuronal plasticity in the central nervous system by phosphorylation and dephosphorylation" Molecular Neurobiology. 17・1-3. 137-156 (1998)
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[Publications] F.M.Musa: "Expression of cyclin-dependent kinase 5 and associated cyclins in leydig and sertoli cells of the testis" Journal of Andorology. 19・6. 657-666 (1998)
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[Publications] T.Shishibori: "Three distinct anti-allergic drugs amlexanox,cromolyn and tranilast,bind to S100A12 and S100A13 of the S100 protein family" Biochem J.338. 583-589 (1999)