1998 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン蛋白欠損マウスにおける神経細胞死の分子機構
Project/Area Number |
09044321
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片峰 茂 長崎大学, 医学部, 教授 (40161062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 泰文 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70136513)
坂口 末廣 長崎大学, 医学部, 助手 (60274635)
調 漸 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (40264220)
重松 和人 長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
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Keywords | プリオン蛋白 / プルキンエ細胞 / 軸索 / ターゲティングマウス / トランスジェニックマウス / 神経変性 / プリオン病 |
Research Abstract |
われわれは以前、独自に樹立したPrP欠損マウスに加齢にともない小脳プルキンエ細胞の脱落が惹起され小脳失調症状が出現することを報告した。しかしながら、他の研究室において樹立された2系統のPrP欠損マウスにはこのような形質が認められないことから、われわれのマウスにおける神経細胞死が真にPrP(PrP^c)の機能消失に基づくのか否かが議論の的となってきた。今回、われわれは正常マウスPrP遺伝子再導入を行いPrP欠損マウスの神経細胞死形質よりの回復を試み、以下の知見を得た。(1)トランスジェニックマウスの交配により正常マウスPrP遺伝子をPrP欠損マウスに再導入した。得られたマウス(Tg+PrPO/O)は野生型マウス(Tg-PrP+/+)の6〜7倍PrP^cを過発現することが判明した。(2)Tg+PrPO/Oマウスは回転棒試験では正常の協調運動能をしめし、組織学的にも小脳プルキンエ細胞の脱落を認めないことから、正常マウスPrP遺伝子の再導入によりPrP 欠損マウスの神経細胞死形質が回復したことが判明した。このことは、PrP^cの機能消失がこの神経細胞死の直接の原因であることを強く示唆する。(3)カルビンジン免疫染色により胞体や樹状突起はよく保たれているプルキンエ細胞の軸索に軸索変性の初期変化である"torupedo-like varicosity"を高頻度に見い出した。(4)PrP^c過発現Tg+PrPO/Oマウスの小脳組織の抗PrP免疫染色により、小脳顆粒層に索状の特異的染色像が得られた。プルキンエ細胞の軸索の可能性が強く、プルキンエ細胞においてはPrP^cは胞体や樹状突起よりも軸索あるいは軸索終末に発現することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishida,N. Katamine,S. 他: "Prion protein is necessary for latent learning and long-term memory retention." Cell.Mol.Neurobiol.17. 537-545 (1997)
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[Publications] Katamine,S. Nishida,N. 他: "Impaired motor coordinetion in mice lacking prion protein." Cell.Mol.Neurobiol.18. 731-742 (1998)
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[Publications] Satoh,J. Yukitake,M. 他: "Cultured skin fibroblasts isolated from mice devoid of the prion protein gene express major heat shock protains in response to heat stress." Exp.Neurol.151. 105-115 (1998)