1998 Fiscal Year Annual Research Report
インド高地における一次宇宙線の組成と加速機構の研究
Project/Area Number |
09045037
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊藤 信夫 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10047045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KRISHNASWAMY Tata Institute of Fundamental Research, 教授
SIVAPRASAD K Tata Institute of Fundamental Research, 教授
TONWAR S.C. Tata Institute of Fundamental Research, 教授
林 嘉夫 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (00106337)
川上 三郎 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (40047337)
|
Keywords | 宇宙線 / 空気シャワー / 化学組成 / γ線点源 / 等方的γ線 / ミューオン成分 / 電磁成分 |
Research Abstract |
日本(大阪市立大学)-インド(タタ基礎研究所)の国際協力研究として,インド・デカン高原南部のOoty(標高2,200m,11.4°N,76.7°E)に大型比例計数管を用いた大面積ミューオン検出器を含む大規模空気シャワー観測装置第一期計画の建設・調節を完了し,データ収集・解析を行い,論文作成を行った。 現在,約12Hzで空気シャワー現象のデータ収集を行っている。これと連動して,大型比例計数管4層構成による35m^2のミューオン検出器計16台(総面積560m^2)は約5,000トンの吸収層を用い1GeV以上のミューオンが立体観測できる。これは密接型検出器で,面積的にも世界第一級の装置である。ミューオン検出器のモニターデータは,赤道付近における太陽の潮汐作用による12時間周期として気圧変動との関連が的確に得られ,3度の太陽フレアが観測されている。太陽の黒点の移動周期11年は2002年頃が活動期と期待され,詳細な研究が行えることを示している。 解析された現象は一次線のエネルギー約30TeVから1PeVの範囲のもので,空気シャワーの到来方向の測定精度は約1.7゚,ミューオンカットによるγ線源探索のための除去率は約90%であった。Ootyにおいて観測可能な超高エネルギーγ線源候補30天体についてmuon-poor空気シャワーのexcessを調べた結果AGN2022-077の方向に約2.1σのexcessが得られた。また,50〜500TeVの範囲について,muon-poor現象と全ての現象の比から等方的γ線と宇宙線の比の上限(90%c.l)を算出した。200〜500TeVの範囲での値<3×10^<-3>は世界で最も厳しい制限となっており,最高エネルギー宇宙線10^<1X>eV以上の発生・伝播モデルの解明に新たな制限を与えた。 解析結果は3編の論文として報告した。更に6編の論文を第26回宇宙線国際会議に報告する。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Adarkar et al.: "Search for point sourcs of neutrinos with K.G.F.underground moun detectors" Nuovo Cimento. 21C. 661-664 (1998)
-
[Publications] Y.Hayashi et al.: "An Experimental Study of Primary Cosmic Ray Composition Over The Energy Range, 〜3×10^<13>-3×10^<16>eV. Using Very Large Area Muon Detectors at Ooty in Southen India" 7th Asia Pacific Physics Conference. 176-177 (1998)
-
[Publications] H.Adarkar et al.: "Cosmic Rays and Rare Signals at Great Depth Underground" 7th Asia Pacific Physics Conference. 178-179 (1998)