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1999 Fiscal Year Annual Research Report

光誘起分子構造ダイナミックスの時間分解分光

Research Project

Project/Area Number 09045038
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

高橋 博彰  早稲田大学, 理工学部, 教授 (40063622)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中井 浩巳  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00243056)
湯沢 哲郎  早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (40261200)
伊藤 紘一  早稲田大学, 理工学部, 教授 (40008503)
Keywords光励起分子 / 分子構造 / ダイナミックス / ピコ秒時間分解分光
Research Abstract

本年度は以下の研究を行った.(1)ジベンゾアゼピンの光化学反応において,励起一重項状態で極めて速い構造変化が起こることを明らかにした.ピコ秒時間分解吸収スペクトルにおいて,3種類の過渡分子種が観測されたが,これらはS_2状態,S_1のFranck-Condon状態およびS_1の緩和状態に帰属できる.この分子は基底状態S_0では,2個のフェニル基がバタフライ状に折れ曲がった構造をとっており,Franck-Condon状態のS_1も同様に折れ曲がった構造をとっている.これに対して,緩和した状態のS_1は平面形を取っていることが,ピコ秒時間分解ラマンスペクトルおよび蛍光スペクトルから明らかになった.なお,この構造変化は光励起後20ピコ秒以内に起こる.また,緩和したS_1状態の寿命は約250ピコ秒である.(2)ビフェニルの光化学反応において,励起一重項状態S_1の構造が中央のC-C結合周りでねじれた構造から平面トランス形に変化することを明らかにした.この構造変化の時定数は20ピコ秒以下であり,粘性の大きい溶媒中では構造変化は減速する.S_1状態のラマンスペクトルはT_1状態のラマンスペクトルに極めて似ていることが分かった.このことは,S_1状態の構造がT_1状態の構造と類似していることを示唆している.ナノ秒時間分解赤外吸収スペクトルとナノ秒時間分解ラマンスペクトルとの比較から,T_1状態は対称中心を持つトランス平面構造をとっていることが分かった.従って,S_1状態も同様の平面構造をとっていると考えられる.(3)カルバゾールの光化学反応において,極性溶媒中ではラジカルカチオンとカルバジルラジカルが生成し,無極性溶媒中ではカルバジルラジカルのみが生成することを明らかにした.なお,ラジカルカチオンはS_1経由の2光子過程で生成するが,N-H結合の切断によりカルバジルラジカルが生成する過程は,308nm励起の場合,S_1状態経由の1光子過程で起こる.

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 高橋博彰: "Nanosecond Time-Resolved Resonance Raman and Absorption Studies of the Photochemistry of Chlorpromazine and Related Phenothiazine Derivatives"Journal of Raman Spectroscopy. (印刷中). (2000)

  • [Publications] 高橋博彰: "Picosecond Time-Resolved Absorption Spectroscopy of Luciferin"Chemical Physics Letters. 308. 369-372 (1999)

  • [Publications] 高橋博彰: "Photoinduced Intramolecular Hydrogen Transfer Reaction of Ortho Nitrobenzyl Compounds"Laser Chemistry. 19. 357-362 (1999)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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