1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09045039
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
辻 勝文 近畿大学, 理工学部, 助教授 (30088439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸弘 近畿大学, 理工学部, 助手 (60278744)
千川 道幸 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50179941)
小西 健陽 近畿大学, 理工学部, 助教授 (00088501)
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Keywords | カオス / 宇宙線 / 空気シャワー |
Research Abstract |
イルクーツク大学(ロシア)のTUNKA-13空気シャワー観測の時系列データについて、相関次元によるフラクタル解析を前年度に続いて行い、カオス候補を探索した。ロシアに2名の研究者が出張し、そのカオス候補が装置の異常によるものでないことを確認した。今回得られた実験結果を次に示す。 1.Tunka空気シャワーのデータを98年2月から4月までの864、000イベント(有効観測時間137時間26分)について解析すると、4例のカオス現象が見出された。カオスの特徴を持つ時間は5分から10分の間である。 2.Tunkaの観測と同じ時間帯の近畿大学の空気シャワーデータからは、5例のカオスが出現した。カオスである時間は約10時間である。 3.イルクーツク大学のカオスと近畿大学のカオスは出現する時間帯が次の時間に一致した。 1998年3月28日18時33分から42分まで(UTC)。 4.前年度の解析結果も含めると、1997年11月から1998年4月までの348時間、2061キロイベントのロシアのデータから6例のカオスが見つかり、そのうちの4例は、約3200km離れた大阪の空気シャワーと時間帯が接近している同期イベントである。そのバックグラウンドの偶然確率は0.001の小さい確率であり、地球的規模でカオスが生じている可能性が強まった。 5.現在解析が不充分であるが傾向として、カオスの空気シャワーのエネルギーが通常のシャワーのエネルギーと大きく差異を示すような事は無い。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 辻勝文、松上和輝他: "ツンカの空気シャワー時系列におけるカオス現象の探索"近畿大学理工学部研究報告. 第35号. 33-36 (1999)
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[Publications] 小西健陽、千川道幸他: "連続空気シャワーの到来方向について"近畿大学理工学部研究報告. 第35号. 27-32 (1999)
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[Publications] 安居賢二、千川道幸他: "Kinki Arrayを用いた空気シャワー到来方向解析"近畿大学理工学部研究報告. 第35号. 37-45 (1999)