1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09045058
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
長友 隆男 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70052868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒋 雪茵 上海大学, 材料科学系, 教授
張 志林 上海大学, 材料科学系, 教授
本間 哲哉 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (60286698)
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Keywords | 電界発光素子 / 有機蛍光材料 / 光とキャリアの閉じ込め / 分子分散型 / 素子寿命の改善 / ポタビニールカルバゾール / 機能分離 / 材料物性の評価 |
Research Abstract |
有機エレクトロルミネセンス(Electrolumine-scence,EL)素子の実用化にあたっては素子寿命を改善することが重要な課題である。本研究では分子分散型の発光層を持ち、発光層、正孔輸送層、および電子輸送層の機能をそれぞれが担う積層構造の有機EL素子を対象とした。材料は、耐熱性と耐湿性を持ち、さらに電界発光のしきい値の電圧・電流を低減し、発光効率を高めるために"キャリアの閉じ込め"と光の閉じ込め"を可能にするようなエネルギー間隙や接合界面の障壁の高さ、および屈折率をもつ材料を選択することが必要である。本研究ではガラス転移温度が高い導電性高分子・ポリビニールカルバゾール(PVCz)をホスト材料に有機蛍光材料であるペリレンをドープしたものを発光層として用いた。本研究で用いられた成果は次の通りである。 (1)ペリレンの濃度を調整することにより、青から黄緑色までの広い範囲の発光色が得られた。正光遮断層にBu-PBD、電子輸送層にAlq3を用いることにより発光効率が約1桁向上した。 (2)変位電流法によりドーパント濃度によるキャリア注入状態を解析した結果、12.7mol%ドープのEL素子では電子がペリレンにより形成された準位に直接注入される形となっていることが分かった。 (3)有機/金属界面(電極)にフタロシアニン(H_2Pc)、さらに耐熱性と良好な薄膜特性をもつタ-シャルブチルフタロシアニン(4tBu-H_2Pc)を挿入し、素子寿命が大幅に改善された。しかし、フタロシアニン類は正孔輸送層であり、電子の注入が抑制されて電子と正孔の注入バランスが崩れた。 (4)ペリレンをドープしたPVCzを正孔輸送層に、QDやDCMなどの有機色素をドープしたALq3を電子輸送層にした有機EL素子で、両層に発光機能を持たせることによって電圧による発光色可変素子を作製でき、発光波長や発光輝度を併せて可変できる。
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[Publications] H.Kojima, A.Ozawa, T.Homma, T.Nagatomo et.al.: "A Structural Study for Highly Efficient Electroluminescence Cells Using Perylene-Doped Organic Materials" Journal of the Electrochemical Society. Vol.144 No.10. 3628-3633 (1997)
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[Publications] Zhang Zhi-Lin, Jiang Xue-yin, T.Nagatomo et.al.: "Stability enhancement of organic electroluminescent diode through buffer layer or rubrene doping in hole-transporting layer." Synthetic Metals. Vol.91. 131-132 (1997)
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[Publications] 長友 隆男: "フタロシアニン類を用いた有機EL素子" ディスプレイ. Vol.4 No.4. 51-54 (1998)