1997 Fiscal Year Annual Research Report
「江戸時代における人口分析システム」公開方法の開発
Project/Area Number |
09204236
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
川口 洋 帝塚山大学, 経営学部, 助教授 (80224749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 淳也 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (20182230)
日置 慎治 帝塚山大学, 経営学部, 助教授 (70238252)
上原 邦彦 帝塚山大学, 経営学部, 教授 (10232779)
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Keywords | 画像データベース / インターネット / ニューラルネット / 古文書文字認識 / 宗門改帳 / 人口 / 江戸時代 |
Research Abstract |
本研究では、「宗門改帳(しゅうもんあらためちょう)」と総称される江戸時代に和紙に筆墨を用いて作成された古文書史料から人口学的指標を算出する研究過程を、できる限り自動化する「江戸時代における人口分析システム」の構築を目指している。本年度は、システム公開方法、および古文書文字の自動認識に関して研究開発を行った。 前年度、陸奥国会津郡小松川村(1792-1866までの75年分)の史料を用いて構築した古文書画像データと文字データから構成される「宗門改帳」古文書画像データベースを、インターネットを通じて研究者間で共同利用できる研究環境を整えた。本システムの利用者は、システム構築者の研究過程をインターネット上で再現し、史料の誤読などに対して批判できる。本システムは、江戸時代の人口現象に関する研究水準向上に寄与して、正確な人口学的指標を求めるうえで必要不可欠になると予測される。 データベース構築の際、最大の研究時間を必要とするのは、古文書読解、文字データ入力である。この研究過程の効率化を計るため、本データベースに蓄積されている古文書画像データから年齢を表記した16種類の文字を各100字採字して、自動認識に関する実験を行った。ニューラルネットを応用して、3層のバックプロパゲーションにより、16種類各35字を学習させ、未学習の各65字を認識させたところ、認識率は96%に到達した。この学習結果を用いて、文字認識を行う入力作業者用のインターフェースを開発した。
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[Publications] 川口 洋・上原邦彦: "古文書画像データベースの構築 -「宗門改帳」を入力史料として-" 人文学と情報処理. 14号. 49-55 (1997)
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[Publications] 川口 洋・上原邦彦・上島紳一: "江戸時代における人口分析システムの開発" 文部省科学研究費補助金重点領域研究「人文科学とコンピュータ」研究成果報告書. 1995,96年度(CD-ROM版). (1997)
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[Publications] 川口・上原・日置・森下: "ニューラルネットを用いた古文書文字(年齢表記)の認識-「宗門改帳」古文書画像データベースを用いた実験結果-" シンポジウム「人文科学とイメージ処理」論文集. 1997年. 55-63 (1997)
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[Publications] 日置慎治・上原邦彦・川口 洋: "年齢を表記した古文書文字の認識-「宗門改帳」古文書画像データベースを用いた実験-" 情報処理学会研究報告「人文科学とコンピュータ」. 98-11. 35-42 (1998)
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[Publications] 川口 洋: "「宗門改帳」古文書画像データベース" 及川昭文監修、小澤一雅編『講座 人文科学研究のための情報処理第2巻 データベース編』尚学社. 157-166 (1998)