1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09204249
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (30188750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 泰則 国立民族学博物館, 第五研究部, 助手 (60174819)
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Keywords | マルチメディア / 民族誌 / 仮想博物館 / パノラマ視座 / オブジェクト・ム-ビ- / ハイパーリンク / モンゴル / 天幕住居 |
Research Abstract |
平成7年度〜8年度に実施した「マルチメディア民俗誌の研究」をひきつぎながら、その機能と内容を以下の2点について発展させた。 第一に、三次元空間を擬似的に再現させる技術を用いて、擬似的に動画のようにして三次元的な情報を提示することを試みた。すなわち、パノラマ視座の導入とオブジェクト・ム-ビ-の導入を統合させ、民族住居の仮想博物館化を実現した。 具体的には、ゲルとよばれるモンゴルの天幕住居の内部を画面上に映し出し、その画像を動かすことによって、バーチャルにある程度動き回る感覚を味わうことができるようにし、また、ゲルの中に映し出されたモノについて、上下左右に回転させていろいろな角度から見ることができるようにした。 こうした技術を利用することによって、利用者は、モノの中に入り込んだり、モノを自在に動かしているかのっような楽しみを味わうことができる。これは、物質文化に関する情報の新しい提示方法と位置づけることができる。 第二に、モンゴルで20世紀初頭に描かれた民族誌的絵画をベースにして、絵解きという手法によって、マルチメディア民族誌の濃密化を試みた。一枚の絵画に含まれる民族誌情報を階層化し、一見無秩序な情報をハイパーリンクによって関連づける方法は、従来の博物館における平面展示の技法では実現不可能であった。本研究によって蓄積された「マルチメディア民族誌」実現のための様々な手法、特に、1)コンピュータに取り込んだ画像上にリンクポイントを設定することによって関連情報を容易に引き出せるようにすること、2)関連づけされた情報を三次元空間に擬似的に再現させること、この両者によって、仮想博物館が持つ表現力は大いに増大したと言えよう。今後、現実の博物館のなかに、このような仮想博物館の展示技法をいかに統合していくかが課題となるであろう。
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Research Products
(1 results)