1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09206211
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
黒田 昌裕 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (50051636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 浩二 慶應義塾大学, 産業研究所, 助手 (40286654)
|
Keywords | 資本ストック / 国定資本ストック・マトリックス / 国富調査 / SNA |
Research Abstract |
この研究は、近年の経済環境の変化に則した国富の正確な把握が経済政策への指針を得るためにも不可欠な要請となっていることを鑑み、資本ストック推計に関する調査設計の枠組みを検討することを目的としている。われわれの研究では、ストック統計とフロー統計との接点を国民経済計算と産業連関統計とに求めて体系化を図ろうと考えている。われわれの研究目的を考えたとき、次の3段階に目標を分けて考えることができる。研究の目標の第1段階は、これまでの研究成果、及びそこで残した未解決の問題を整理し、既存統計の公表資料による推計の精度を向上させることである。第2段階は、各種統計のミクロ統計に遡って、情報の収集を行い、第1段階で検討した未解決の課題への解決の方向を見出すこと、さらに個別統計の調査の総合化のための整合的な調査設計への指針を得ることを目的とする。第3段階は、将来の国富調査の設計を試み、各種の個別統計を用いての分散型接近による可能性と限界を明らかにしていくことである。これまでの研究進展状況としては、昨年度を含む今年度までの研究成果として、1995-92年にわたる民間・公的別時系列固定資本マトリックスのフローおよびストック推計をおこなっている。また在庫については、在庫投資マトリックス(産業別・在庫形態別)および在庫残高マトリックスの推計を土地に関しては産業別土地ストックの推計をおこなっている。家計資産についても、全国消費実態調査をベースにした試算的推計を試みている。ここでの推計は個票資料に溯ることなく、すべて公表されている既存の各種統計資料にのみ依存して推計を試みている。既存の各種統計の推計方法および推計値を比較検討しながら、今後の各種統計の調査の利用の改善と調査統計の変更への示唆を得ようとすることを目的とすすめてきた。
|
-
[Publications] 黒田昌祐・野村浩二: "実証経済分析と・統計資料(1)〜(7)" 統計. 48.1〜49.2. (1997)
-
[Publications] 黒田・新保・野村・小林: "KEDデータ・ベース" 慶応義塾大学産業研究所, 376 (1997)