1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09206216
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
岡太 彬訓 立教大学, 社会学部, 教授 (00062662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 康仁 立教大学, 社会学部, 教授 (30257159)
安田 雪 立教大学, 社会学部, 助教授 (00267379)
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Keywords | 社会ネットワーク / 選好度予測 / パーソナルネットワーク / 非対称多次元尺度構成法 / 友人選好 |
Research Abstract |
大学生を対象とした2種類のパーソナルネットワークデータを収集し,既存の社会ネットワークデータ(17人の被験者の16週(1回/週に調査)のパーソナルネットワークデータ)と併せて分析した.大学生を対象としたデータは,いずれも1回/週データ収集を行った.被験者の人数は,1つが約50名(11週).もう一方が11名(12週)である.3項目,(1)直接でない対話や連絡(電話,留守電,E-mailなど),(2)直接の対話,(3)今後親しくしたいか,について全対象者間の回数や程度を調査した.友人選好度の予測法を既存の社会ネットワークデータに応用し,友人選好度の予測を行った.友人選好がある程度の精度で予測可能であることを示した.大学生から収集したデータを非対称多次元尺度構成法により分析した結果は,直接であれ直接でないものであれ,対話や連絡の回数は少なく,また,ほぼ対称であった.非対称性が見られるのは親しくしたいかという項目であり,とくに,男女間の非対称性は時間の経過による変化が少なく,男女内での非対称性の時間の経過による変化が大きい.友人選好度の予測に用いた方法は,筆者らが開発したものであり,マーケティング・サイエンスにおける購入数の予測に用いる方法にもとづいている.非対称多次元尺度構成法も,筆者らが開発したものであり,2相3元データに対応し,時系列データの分析が可能である.具体的な対話や連絡よりも心理的な面での非対称性が大きく,パーソナルネットワークの形成においては,今後の検討課題として重要である.そして,心理的な面と具体的な対話や連絡により形成されるパーソナルネットワークとをどのように結びつけるかということも今後の課題である.
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[Publications] Okada, A.,& Imaizumi,T.: "Asymmetric multidimensional scaling of two-mode three-way proximities" Journal of Classification. 14. 195-224 (1997)
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[Publications] 千野直仁・岡太彬訓: "非対称多次元尺度構成法とその周辺" 行動計量学. 23. 130-152 (1997)
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[Publications] 岡太彬訓・今泉 忠: "友人選好データの分析-2相3元非対称多次元尺度構成法の適用-" 心理学評論. 39. 459-475 (1997)
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[Publications] 岡太彬訓・宮内綾子: "INDSCALを用いた予測の一方法-新製品の購入数予測" 心理学評論. 39. 439-458 (1997)
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[Publications] 安田 雪: "「コミュニケーションツール-関数の変容ツール」" ソフトノミックス. 155. 1-13 (1997)
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[Publications] 安田 雪 (共著): "「電縁交響主義-ネットワークコミュニティの出現」金子郁容 他 eds.pp70-97" NTT出版, 375 (1997)
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[Publications] Okada, A.: "C.Hayashi ,N.Ohsumi, K.Yujima, Y.Tanaka, H.H.Bock (Eds) Data Science, classificative, and related weryuds. (pp.716-727)" Springer-Verlag, 12 (1998)