1997 Fiscal Year Annual Research Report
高周期典型金属元素のハロ錯体の固体構造とイオン伝導性
Project/Area Number |
09215226
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 康治 広島大学, 理学部, 助教授 (10166704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 勉 広島大学, 理学部, 教授 (20033847)
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Keywords | イオン伝導性 / ハイパーバレント結合 / 典型金属元素 / 19-F NMR |
Research Abstract |
14・15族元素の低酸化状態であるGe(II),Sn(II),Sb(III)のハロ錯体はおもに中心金属のp軌道を用い6個の配位子と結合する。これがハイパーバレント結合であり,この結合を含む固体では,その結合の特性を反映した種々の興味ある現象や物性を示す。そこで,ペロブスカイト構造をとるASnBr_3やASnCl_3(A=Cs,CH_3NH_3)の電子およびイオン伝導性について,導電率測定,粉末X線回折,^<119>Sn NMR,^<81>Br NQR,^<35>Cl NQRの測定から詳細に検討した。その結果,これらの塩では高いイオン伝導性の確認できたゲルマニウム塩とは異なり,立方晶ペロブスカイト相でハロゲンのサイトに無秩序状態は確認できなかった。また,ペロブスカイト構造に特有の電子状態がこれらの塩の半導体から金属的な伝導性を支配していることが明らかになった。しかし,同時に立方晶ペロブスカイト構造における^<119>Sn NMRの緩和時間の測定はBrやClの拡散が緩和に寄与していることを示唆した。これは温度上昇による欠陥生成や結晶化の際に取り込まれた欠陥を介したイオン伝導性が存在することを示唆している。また,高いイオン導電率が期待されるSn(II),Pb(II)やSb(III)のフッ化物を合成し,^<19>F NMRや^<119>Sn NMRと構造からこれらのイオン伝導性をハイパーバレント結合のモデルを用いて考察した。
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[Publications] Y.Tomita: "Cation Self Diffusion in MGaBr_4(M=Li,Cu,Ag)" Bull.Chem.Soc.Jap.70. 2045-2410 (1997)
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[Publications] K.Yamada: "Phase Transition and Electric Conductivity of ASnCl_3." Bull.Chem.Soc.Jap.71. 127-134 (1998)
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[Publications] Y.Tomita: "New Lithium Ion Conductor Li_3InBr_6." Chem.Lett.1998. 223-224 (1998)
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[Publications] T.Okuda: "Static and Dynamic Structure of Li_3InBr_6." Z.Naturgorsch.in Press. (in press). (1998)
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[Publications] K.Yamada: "Chemistry of Hypervalent Compounds" Ed.by K-y.Akiba,Published by John Willey(In Press), (1998)