1997 Fiscal Year Annual Research Report
高分子多相ミセルによる選択的界面反応場の構築とエバネッセント波法による解析
Project/Area Number |
09217230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山岡 仁史 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40165783)
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Keywords | 両親媒性高分子 / 高分子ミセル / 界面反応場 / エバネッセント波 / X線反射率 / 中性子反射率 |
Research Abstract |
本研究においては、両親媒性高分子が溶液中や界面で形成する分子集合体、すなわちミセルや単分子膜を利用し、界面に選択的な反応場を構築すること目的として、ケイ素、フッ素等を含むセグメントを有する種々のブロックポリマーの合成、X線・中性子小角散乱によるブロックコポリマーミセルの構造解析、およびエバネッセント波法による高分子粒子-界面間相互作用の直接測定やX線・中性子反射率測定(XR,NR)による界面における高分子の存在状態の解明を系統的に進めてきた。今年度は、エバネッセント波光散乱顕微鏡(EVLSM)装置の改良とそれによる粒子-界面間相互作用ポテンシャルに対する重力の影響の定量化、およびXR,NRによる気液界面および固液界面における高分子の形態調査を行った。 EVLSM装置の改良については、従来は測定前後に手動で行っていたx-y移動を、EVLSM装置の試料ステージのx-y方向駆動系にステッピングモータを追加し、測定中に粒子を二次元面内で追尾できるシステムを構築し、性能の飛躍的向上を図った。この装置による測定から、粒子-界面間相互作用をより厳密に評価することが可能となった。 また、新たに開発した気液界面測定用X線反射率装置により、従来の高分子薄膜、高分子複合薄膜、基盤上のLB膜、水面上のLB膜の測定に加え、精密合成した両親媒性高分子の水面上における存在状態をXRにより測定した。さらに、ガラスおよびシリコン/水(D_2O)界面に吸着したポリエチレングリコールの形態についてNR測定を行い、スケーリング型の高分子濃度プロファイルを仮定したモデルが実測データをよく再現することを確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Yamaoka: "Anionic Polymerization of 3-Methylene-silacyclobutanes and Reactivity of Poly (3-methylenesilabutane) s," Macromolecules. 30. 2524-2526 (1997)
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[Publications] H.Yamaoka: "Anionic Ring-Opening Polymeri-zation of Silacyclobutane Derivatives" J.Polym.Sci.: Pt.A : Polym.Chem.35. 3207-3216 (1997)
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[Publications] H.Yamaoka: "X-ray Reflectivity Study of the Amphiphilic Polymer Assembly at Air-Water Interface" Proc.18th Riso Intern.Symp.Mater.Sci.18. 437-442 (1997)
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[Publications] 山岡仁史: "エバネッセント波光散乱顕微法-高分子微粒子の運動をみる" 高分子. 46. 258-260 (1997)