1997 Fiscal Year Annual Research Report
層状ペロブスカイト化合物の自己組織性を用いた有機/無機超格子の創成
Project/Area Number |
09217244
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江良 正直 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (30191927)
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Keywords | 層状ペロブスカイト / 超格子 / 自己組織性 / インターカレーション / 有機無機複合材料 / ラングミュアープロジェット法 |
Research Abstract |
本研究では、層状ペロブスカイト化合物の自己組織性を利用し、多様な機能性を有する有機物を有機層として導入した新しい有機/無機超格子の構築法を確立すること、さらにその超格子の空間的配列を制御した三次元超構造を構築することを目的としている。本年度の研究成果は以下の通りである。 (1)分子構造を適切に設計することにより、機能性発色団を有する有機アミンを導入した超格子の作製が可能であることを示した。さらに、有機アミンのアルキル鎖長により無機半導体層と機能性発色団のとの距離をオングストロームのレベルで調節することができ、これにより無機発色団と機能性発色団との相互作用を精密に制御できることを示した。この成果は、有機/無機超格子材料において有機層に機能を持せるという新しい材料設計指針を与えるものである。この指針に基づき有機層分子を精密に分子設計することで、これまでにないまったく新しい超格子材料を構築できるものと考えられる。 (2)鉛ハライドへの有機アミンのインタカレーションにより、鉛ハライド系層状ペロブスカイト超格子を作製できることを明らかにした。さらに、エピタキシャル成長などにより鉛ハライド薄膜の構造を制御することで、高度に高次溝造を制御した層状ペロブスカイト超格子の作製が可能であることを示した。この技術を発展させ、単分子層レベルでの膜成長や膜構造制御が可能となれば、本研究が最終的に目指した3次元的に電子状態を変調した超格子超構造材料が構築できるものと考える。 (3)気水界面に形成された有機アミン単分子膜へ無機半導体層を吸着させ、ラングミュアープロジェット(LB)法を用い基板に積層することで、層状ペロブスカイト薄膜を作製することが可能であることを示した。まだ多層積層には成功していないが、この問題さえ解決できれば非常に近い将来に超構造の構築が可能になると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masanao Era: "PbBr-based layered perovskie containing choromophore-linked ammonium molecule as an organic layer" Chemistry Letters. 1997. 1235-1236 (1997)
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[Publications] Masanao Era: "Self-organization approach to organic/inorganic quantum-well based on metal halide-based layer perovskite" Thin Solid Films. (in press).
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[Publications] 江良正直: "インターカレーションによるヨウ化鉛系層状ペロブスカイト超格子薄膜" 九州大学中央分析センター報告. (印刷中).