1997 Fiscal Year Annual Research Report
スピルオーバー効果を利用したハイブリッド型高性能触媒の開発
Project/Area Number |
09218214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤元 薫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011026)
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Keywords | スピルオーバー / 固体酸触媒 / 炭化水素改質 / ゼオライト / ハイブリッド型 |
Research Abstract |
Pt/SO_4^<2->/ZrO_2上のn-ブタンの異性化反応において水素を共存させることにより触媒活性の劣化は大きく抑制できるものの、初期活性は抑制されることを見出した。触媒活性の温度依存性、水素分圧依存性、反応次数について調べたところ、水素分圧によらず、543K程度で活性化エネルギーが変化することが分かった。また、反応条件によって、水素の反応次数は0次から-1次まで変化し、低温・高水素分圧化ほど反応次数が小さくなる結果を得た。これは水素がスピルオーバーしやすい条件と考えられる。また、触媒の前処理条件によりB酸及びL酸の比を変化させた場合、触媒活性に極大が存在することから、異性化反応へのL酸への関与が示唆されている。これまで、本触媒上のL酸点とスピルオーバー水素が相互作用を持つことが報告されており、現時点おいて活性抑制はL酸点のスピルオーバー水素による被毒と考えている。また、Pt/SiO_2+HZSM-5ハイブリッド上に吸着したピリジンがスピルオーバー水素により水素化されることを見出された。本研究においては、ゼオライト(ZSM-5,USY,Mordenite)及び金属(Pt/SiO_2,Pd/SiO_2)の影響について検討した。反応初期におけるピリジン水素化速度は、金属や吸着した酸点の種類には大きく依存せず、ゼオライトの種類に最も強い影響を受けることが分かった。酸点あたりの活性は、Mordenite>HZSM-5>USYであった。
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