1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロポリ酸の特殊反応場を用いた触媒反応系の分子反応工学
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09218229
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 智彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10171571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 繁雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90023283)
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Keywords | 特殊反応場触媒 / ヘテロポリ酸触媒 / 分子反応工学 / 強酸性触媒 / 選択的酸化反応 / ベンゼン直接酸化 / フェノール合成 / 鉄塩触媒 |
Research Abstract |
1.これまでの経緯 ヘテロポリ酸の持つ様々な機能を複合化させることにより、新しい反応場を構築し、目的とする反応系への最適触媒を設計する反応工学的な検討を分子論的な視点から行っている。すでに、分子論的なアプローチによる新MTBE合成プロセスの提案を行った。また、部分イオン交換による不溶性と強酸性を複合化した反応場でのフリーデル・クラフツ アシル化反応を検討し、新しい反応速度式を提案した。さらに、ベンゼンの液相空気酸化において強酸性と酸化力を複合化化した反応場が有効である示唆を得た。そこで、本研究ではベンゼンの過酸化水素酸化によるフェノール合成をモデルに触媒活性種の形成について検討を行った。 2.機能複合化による触媒活性と触媒設計 当研究室において研究実績のある塩化鉄触媒をヘテロポリ酸と組み合わせて用い、常圧下の過酸化水素酸化を行った。ヘテロポリ酸のみでは反応は起こらなかったが、塩化鉄とヘテロポリ酸を混合すると塩化鉄単独の場合を上まわる速度で反応が進行した。この場合は均一系で反応し、中でもH_3PW_<12>O_<40>が最も効果的であった。反応性はヘテロポリ酸の酸性質と相関が認められた。一方、ヘテロポリ酸を鉄で部分イオン交換することで、こうした反応場を不溶性の固体上に固定化することに成功したが、酸性プロトンを全てイオン交換すると活性は消失した。これらは、本反応への強酸性の寄与が重要であることを示している。 3.活性種の検討 反応条件下での紫外吸収スペクトルを観察した。ヘテロポリ酸と鉄を混合すると、ヘテロポリ酸の吸収は変化しないが、鉄については一部のバンドが吸収強度の低下を起こした。この変化は、鉄とヘテロポリ酸を等モル添加した時点で一定となった。これは、反応試験において、ヘテロポリ酸の促進効果が等モル混合まで増加することとよく一致しており、このような錯形成が新しい活性種を生成することがあきらかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Seo,Y.: "Phenol synthesis by liquid phase oxidation of benzene by molecular oxygen over Iron ion exchanged HPA" Journal of Molecular Catalysis. 120. 149-154 (1997)
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[Publications] Tagawa,T.: "Direct oxidation of Benzene to Phenol with Fe-HPA Catalyst" Proc.Int.Symp.Recent.Adv.in Chem.and Catal.of Polyacids. 64 (1997)