1997 Fiscal Year Annual Research Report
動的環境における環境変化の予測と行動を一体化した視覚サーボ系の研究
Project/Area Number |
09221101
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 岡山大学, 工学部, 助教授 (80228410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 英紀 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029514)
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Keywords | キーワード1視覚サーボ / キーワード2ロボット / キーワード3制御 / キーワード4画像認識 / キーワード5非線形システム / キーワード6 / キーワード7 / キーワード8 |
Research Abstract |
画像は膨大な情報量を持つが,きわめて冗長性が高い.そこで,十分な精度を確保したままで冗長性の少ない情報の抽出法を検討した.その結果,画像の解像度を4段階にわけ,各々の特徴点に関して4枚のテンプレートを用いて対象物の移動速度に応じて使い分ける方法が追従速度および位置決め精度を確保するのに適していることがわかった.また,冗長な特徴量を用いることは位置決め精度の向上に効果があることを理論的に証明し,PUMA560ロボットを用いた実時間実験により確認した.このことから,画像処理的に安定な特徴量を冗長にとることの有効性が検証できた. 次に,視覚情報に基づいて3次元情報を精度良く求めるためのカメラ位置およびロボット姿勢について検討した.再構成される3次元情報の精度は,画像ヤコビ行列の条件数に依存し,この条件数が作業対象物の特徴量の選択に依存することがわかった.したがって,この条件数を最小にするように特徴量を選択することが精度と応答速度の両方の面から重要であることが示された. 一方,視覚サーボ系のモデルは,ロボットのダイナミクスを考慮しない場合には拘束条件つきの線形微分方程式で記述される.本研究では,ロボットのダイナミクスを考慮する場合,きわめて複雑な非線形微分方程式になることを示し,微分方程式の幾何学的構造の解析が合理的な制御系設計において重要であることを明らかにした.また,この非線形性のために,環境モデルの推定法は,従来の線形推定法では不十分であることがわかった.そこで,ロボットのダイナミクスと環境変動のダイナミクスを統一的に取り扱うために,作業の実施を環境の変動とロボットの運動からなる非線形関数として定義し,この関数の幾何学的構造の解明を試みた.大域的に拘束条件を記述する関数は求められていないが,局所的な性質は明らかになり,それを用いた制御系の構成法も求まった.本研究の当初の目的は完全には達成されてはいないが,局所的な性質がわかればそれを解析的に接続することにより大域的な性質に拡張できるので,本研究において視覚サーボ問題の本質を解明できたといえる.
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[Publications] 橋本浩一: "冗長な特徴量に基づく視覚サーボ" 日本ロボット学会誌. 16・3(印刷中). (1997)
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[Publications] K.Hashimoto: "Visual servoing of nonholonomic cart" Proc.of IEEE Int.Conf.Robotics and Automation. 1719-1724 (1997)
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[Publications] K.Hashimoto: "Visual tracking of redundant features" CDROM Proc.of IEEE/ASME Int.Conf.on Advanced Intelligent Mechatronics. (1997)
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[Publications] K.Hashimoto: "Position control of a car with visual servo" Proc.of 2nd Asian Control Conference. III. 343-346 (1997)