1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09223215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高原 文郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20154891)
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Keywords | 超新星残骸 / パルサー / 活動銀河中心核 / 衝撃波 / 粒子加速 / ガンマ線天文学 / 相対論的ジェット |
Research Abstract |
1.活動銀河中心核や銀河系内部ブラックホール候補天体の一部にみられる相対論的ジェットの物理的性質とその加速機構について検討を行った。多周波同時観測データを使ってジェットの物理状態を推定した。その結果、ジェットは主として電子陽電子対からなること、エネルギー収支は相対論的電子が支配していること、シュワルトシルト半径の数百倍から数千倍程度の距離でローレンツ因子が10程度にまで加速されていることを示した。輻射場によりローレンツ因子を10まで加速する機構を定量的に検討した。一つの可能性はローレンツ因子が3程度にまで加速された底部ジェットからの二次散乱光のビ-ミング効果を使って上部ジェットをさらに加速する可能性である。もう一つの可能性はコンプトン散乱に加えてシンクロトロン吸収がある場合である。 2.パルサーからのガンマ線放射機構と磁極における電場構造の検討を行った。ガンマ線のデータは沿磁力線電場により加速された電子の曲率放射と強磁場中での一光子電子陽電子対生成により基本的に説明されることを示した。沿磁力線電場と粒子加速の整合的取り扱いを試み、対生成による電場の遮蔽のモデルを検討した。その結果、整合的なモデルが成立するためには一次電子と二次電子および二次陽電子の3流体の間に強い不安定性が励起される必要のあることがわかった。今後定量的な成長率の計算を行う予定である。 3.超新星残骸の衝撃波におけるフェルミ加速のinjection問題をモンテカルロ法により検討した。磁場と衝撃波面とが斜交する斜め衝撃波は粒子の加速時間が短縮されるという利点がある一方、磁場に沿った流速が増加するため加速過程へのinjectionの効率が著しく減少する。効率を定量的に評価し、SN1006への応用を試みた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Inoue: "On Radiative Acceleration of Relativistic Jets" Progress of Theoretical Physics. 98・4. 807-828 (1997)
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[Publications] J.Miyazaki: "Gamma-ray spectra from a polar-cap model of pulsars" Monthly Notices of the Royal Astronomical Society. 290・1. 49-58 (1997)
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[Publications] F.Takahara: "Physical Properties of Relativistic Jets in Blazars" Proc,of International Conf.on 'Relativistic,Jets in AGNs'. 253-261 (1997)