1997 Fiscal Year Annual Research Report
Nelsonの量子力学に基づくトンネリング時間及びその周辺の研究
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09226233
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大場 一郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 由也 早稲田大学, 理工学部, 講師
栗原 進 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80107440)
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Keywords | Nelsonの量子力学 / Langevin方程式 / トンネル時間 / 散逸過程 / 量子飛躍 / 引力ハバ-ド模型 / 集団励起 / 電荷密度波 |
Research Abstract |
本課題研究における平成9年度の各項目に対する研究成果は以下の通りであり,雑誌論文として出版された. (1)熱浴との結合系に関しては,一般的にいえば,Feynman-VernonやCaldeira-Leggettによる方法が知られている.ここではf(t)を任意の既知正関数として(例えばe^<2γt>)、作用を S=∫dt[m/2x^2+V(x)]f(t)とおけば,この系は正準形式を満たす.しかも,得られるEuler方程式は散逸型mx+2mγx+(∂v)/(∂x)=0となる.この枠組みを用いて,散逸系における量子化を正準形式と経路積分法において実行することに成功し,その実効的schrodinger方程式に対応するNelson量子力学を定式化,基礎方程式であるLangevin方程式を書き下すことができた.現在,種々のモデルについてシミュレーションを実行,その物理的内容の分析が進行中である. (2)Nelsonの量子力学を多チャンネルに拡張し,トンネル時間に現れる非弾性効果を評価することに成功した.従来までのNelsonの量子力学では一つのチャンネルのみを扱い,その中での確率過程であった.ここでは別のチャンネルに量子飛躍する.それを表すために,対応するLangevin方程式に新たな項を導入してNelson量子力学の枠組みを拡張し,この効果を取り入れることに成功した. (3)引力フェルミ系の集団励起スペクトルを計算し,phonon-roton的分散関係を,またBE凝縮体から結晶への量子転移について示唆的な結果を得た.そしてリング状超流体の永久流減衰をroton励起を伴う位相場のトンネル現象としての記述を試みている.さらに,引力フェルミ系の新しい基底状態-supersolid-の可能性を変分波動関数を用いて示した.また,SIS接合に新しい赤外発散効果が存在することを予言した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ichiro Ohba: "A novel method to quantize systems of damped motion" Foundations of Physics. 27, No.12. 1725-1738 (1997)
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[Publications] K. Imafuku, I Ohba and Y. Yamanaka: "Effects of inelastic scattering on tunneling time based on the generalized diffusion process approach" Phys. Rev. A. 56, No.2. 1142-1153 (1997)
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[Publications] S. Sato, S. Kurihara and Y. Y. Suzuki: "Coexistence of superconductivity and charge density waves in d=∞ attractive Hubbard model" Int. J. of Mod. Phys. B. (1998)
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[Publications] 並木美喜雄 大場一郎: "散乱の量子力学" 岩波書店, 349 (1997)