1997 Fiscal Year Annual Research Report
先端的X線解折手法によるセラミックスのガラス相誘起超塑性変形の解明
Project/Area Number |
09228202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早稲田 嘉夫 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (00006058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 正敏 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (40241583)
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Keywords | 超塑性 / 表面 / 全反射X線回折法 / ジルコニア / 斜入射X線異常反射率法 |
Research Abstract |
セラミックスの超塑性現象において粒界すべり、粘性流動、結晶粒界におけるガラス相の存在などが重要な役割を果たすことが指摘されつつあるが、その本性の解明および制御のためには巨視的特性と微視的構造を関連付ける情報の蓄積が不可欠である。本研究では、バルクとは異なることが予想される材料表面の構造や結晶粒の配向性の変化等の超塑性変形機構に関する新しい知見を得ることを目的として、全反射X線回折法を超塑性セラミックスに適用し、超塑性材料表面の構造評価を行った。 本実験で使用したバルク3Y-TZPはほぼ単一のtetragonal相であるが、しかし、Seemann-Bohlin(S-B)法およびGrazing Incidence X-ray Scattering(GIXS)法の全反射X線回折法により得られた3Y-TZPの回折パターンにはmonoclinic相も認められ、また測定法の違いによる強度比の変化が生じていることから各相の表面構造に配向性があることが分かった。例えば、GIXS法ではtetragonal相002反射のピークは検出されず、200反射のピークが明瞭に観察された。一方、S-B法では、相対的に002反射の反射強度の増加が認められることから3Y-TZP材料表面の構造は、[001]選択配向の傾向が強いことを示唆している。また、赤外線イメージ炉で試料を大気中で加熱して3Y-TZPのX線反射率を測定し、その温度依存性を調べた。臨界波長の入射角依存性から表面密度を見積もった結果、文献値とほば一致した値が得られた。
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