1997 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルアロイング法により作製した高速超塑性A1合金の成形に関する研究
Project/Area Number |
09228210
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 孝司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60115524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 建国 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10283409)
湯川 伸樹 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (10202392)
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Keywords | 高速超塑性 / メカニカルアロイング / 成形性 / 鍛造 / 張出し / 有限要素解析 |
Research Abstract |
従来の超塑性材料は,遅い成形速度に問題があり,多様生産には不向きであったが,メカニカルアロイング(MA)により作製した高速超塑性アルミニウム合金はその壁を打破するものとして期待されている.報告者らは,MA押出し材を独自に作製し,超塑性特性に及ぼすMA時間及び押出し温度の影響を調べた.また,この種の超塑性材の実用化を念頭におき,機械プレス(20〜100spm)による成形性について,押出し材の鍛造および圧延板材の張出し実験を行い,油圧プレス(加工スピードは機械プレスの1/1000程度)による結果と比較した.さらに有限要素解析によりその変形状態を解析した. 作製したMA-A1合金は,ひずみ速度2.5_S^<-1>で200%以上の高い伸びを示し,室温強度でも800MPa以上と高強度であった.475℃の据込みにおいて,油圧プレスでは据込み率が約0.7で破壊してしまうが,機械プレスでは,据込み率が0.9でも割れは発生せず,限界はさらに上である.このように475℃で機械プレスを用いたときは,超塑性変形により極めて高い限界を示す.また,スパイク鍛造での機械プレスによるスパイク山高さは,油圧プレスの3倍であった.張出し限界は,加工速度の速い機械プレスの方が遅い油圧プレスより1.5倍ほど限界が高く,変形速度が増加すると伸び値も増加するという引張試験の結果と一致した.油圧プレスでは張出し頂点近傍の位置にひずみが集中しており,それが破断に達するが,機械プレスでは変形が分散しており,これが限界を高めている.これは,解析でも再現できた. メカニカルアロイング法により作製したA1合金は,鍛造および張出しについて,実際の機械プレスで優れた加工性を示すことが明らかとなり,低いひずみ速度でないと超塑性特性が発現しないという従来の超塑性材の最大の障害の一つが取り除かれ,実用材料として利用できることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ishikawa N.Yukawa et.al.: "Formability of Superplastic Aluminum Alloy Processed by Mechanical Alloyin" J.of Materials Processing Technology. 68. 236-240 (1997)
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[Publications] T.Ishikawa N.Yukawa et.al.: "Superplastic Forming of Aluminum Alloy Sheet Processed by Mechanical Alloying" Materials Science Forum. 233-234. 185-192 (1997)