1997 Fiscal Year Annual Research Report
超塑性セラミックスの粒界構造と変形機構に関する電子顕微鏡的研究
Project/Area Number |
09228216
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊尾 章宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00027806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 久満 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20027907)
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Keywords | 超塑性セラミックス / ジルコニア / 電子顕微鏡 / 圧縮変形 / 粒界すべり / 粒成長 / ガラス相 / 結合粒界面指数 |
Research Abstract |
耐熱、高強度でしかも変形可能なセラミックスの開発と物性測定が盛んに行われるようになった。特に、ジルコニアをベースにしたセラミックスは機能性材料として注目されている。この場合、結晶粒の非常に小さな多結晶の焼結体が用いられることが多いが、材料の特性は結晶粒の大きさに強く依存するとともに、変形や破壊には粒界構造が大きく影響する。本研究では、超塑性を示すイットリア安定化正方晶ジルコニア多結晶体(Y-TZP)を圧縮して変形し、変形前後の構造を電子顕微鏡で観察するとともに、エネルギー分散X線分光法(EDS)により粒子内部と粒界の組成分析を行い、超塑性発現機構に対する知見を得ることを目的とし、以下の結論を得た。 1,圧縮後の粒子の平均粒径は0.26μmで、圧縮前の平均粒径0.2μmよりやや大きくなったが、これは高温での圧縮によりごく小さな微粒子が比較的大きな粒子に吸収されたと考えられる。しかし、一個一個の粒子の形状や電子回折像は変形前後で変化はなく、圧縮による結晶学的な構造変化は起こっていない。 2,粒子内には歪みによるコントラストは観察されたが転位や欠陥はほとんど観察されなかった。上記の結果より、変形は粒界すべりによって生じ、粒界すべりにより応力が粒界で緩和されるものと考えられる。 3,粒界にはガラス相のような非晶質相はなく、粒子どうしが平滑な面で結合している。高分解能電子顕微鏡観察の結果、粒界面を構成しやすいのは{111}、{110}、{311}、{310}、{331}等の面で、高次の指数の粒界面は観察できなかった。特に{111}と、{311}面での結合が多かった。これらの場合、粒界における原子のマッチングが良い。 4,EDS分析の結果、粒子内部、粒界部分および粒界の三重点で顕著な組成の相違はなかった。Y-TZPの超塑性は粒界すべりによるものと考えて良いが、Y原子は試料全体に万遍なく分布し、粒界すべりには寄与していない。
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[Publications] Akihiro Kumao: "Electron microscopic studies on structure and deformation of superplastic ceramics" Proc.Swiss-Japanese Joint Seminar on Electron Microscopies in Materials Science. 13-16 (1997)
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[Publications] Akihiro Kumao: "Grain boundary structure of superplastic ceramics studied by HREM and EDS" Proc.4th Special Symposium on Advanced Materials. (発表予定). (1998)
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[Publications] Akihiro Kumao: "High-temperature deformation and structure change of Al_2O_3 and Y-ZrO_2" Proc.14th International Congress on Electron Microscopy. (発表予定). (1998)