1997 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩反応で作製した組成傾斜BaTiO_3・PbTiO_3系複合粒子の誘電特性
Project/Area Number |
09229202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嶋田 志郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90002310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 肇 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50281788)
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Keywords | 溶融塩反応 / 組成傾斜 / BaTiO_3・PbTiO_3 / 複合粒子 / 誘電特性 |
Research Abstract |
BaTiO_3粉末(平均粒径0.5μmと0.1μm)とPbCl_2を600°Cで72〜100時間反応させて2種類のBaTiO_3-Ba_<1-x>Pb_xTiO_3複合粒子(粒径0.7μmと0.3μm)を作製した。この2種類の複合粒子を900°Cで焼結した。これらの焼結体の誘電率をLCRメータを用いて25〜600°Cの温度範囲、周波数1、10、100kHzで測定し、ε(T)曲線を得た。 以下のことが明らかとなった。 1)0.7μmの複合粒子から作製した焼結体のε(T)曲線は、測定周波数に関わらず150、400、480°Cで極大値を示した。これらは、それぞれ、BaTiO_3-core、Ba_<1-x>Pb_xTiO_3(0.5<x<0.8)-shell、Ba_<1-x>Pb_xTiO_3(x【approximately equal】0.9)-shellの正方晶(t)【tautomer】立方晶(c)転移に対応した。高温側のピークは重なり合っており、予め各粒子のshell中に存在する広い組成分布が、広い温度範囲にわたる高誘電率をもたらしたと考えられる。 2)0.3μmの複合粒子から作製した焼結体のε(T)曲線は、250〜500°Cの広い温度範囲で一つの幅広いピークを示し、これは幅広い組成をもったBa_<1-x>Pb_xTiO_3(0.4<x<1.0)のt【tautomer】c転移に対応した。極大値の温度は、測定周波数の減少とともに低温側ヘシフトした。この挙動は鉛系リラクサ-の挙動とよく似ていた。 3)予め組成分布を持つBaTiO_3-Ba_<1-x>Pb_xTiO_3複合粒子を用いて作製した焼結体のε(T)曲線は250〜500°Cの広い温度範囲に幅広いピークを示し、この焼結体は高温で安定な誘電特性を示す材料として期待される。
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[Publications] Yoshiho Ito: "Phase transition of BaTiO_3-Ba_<1-x>Pb_xTiO_3 composite particles prepared by the molten salt method" J.Materials Chemistry. 7(5). 781-785 (1997)
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[Publications] Yoshiho Ito: "Molten-salt synthesis of Ba_<1-x>Pb_xTiO_3 composites with controlled compositions" Soid State Ionics. 101-103. 1135-1140 (1997)