1997 Fiscal Year Annual Research Report
光学的線形・非線形傾斜機能型ガラスセラミックの創製と評価
Project/Area Number |
09229226
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅野 安彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90283035)
|
Keywords | テルライト系ガラス / 透明ガラスセラミックス / 傾斜機能ガラスセラミックス / 非線形光学ガラス / 第二高調波発生 |
Research Abstract |
光を最大限に利用でき、かつ光の制御を可能にする新しい光学的傾斜機能材料、あるいは光エネルギーを電気エネルギーに効率よく変換できる従来にないタイプの光電的傾斜機能材料の開発は今後ますます重要になる。本研究は、第二高調波発生(非線形性)を示す光学的に透明な結晶化相と非線形性を示さないガラス相の割合いが傾斜した構造を有する光学的線形・非線形傾斜機能型透明テルライト系ガラスセラミックスの創製を試み、次の成果を得た。 1)15K2O-15Nb2O5-70TeO2ガラスのNb^<5+>をW^<6+>やMo^<6+>で置換したガラスは、結晶化に対して著しく安定になることから、15K2O-15Nb2O5-70TeO2ガラスと接合するガラス系として選択した。2)15K2O-15Nb2O5-70TeO2ガラスにEr^<3+>を添加した系では、Er2O3を1.5mol%まで添加しても透明ガラスセラミックスが得られることが明らかになった。3)ガラス表面での結晶化相はバルス内部とはかなり異なった状態になっており、内部に比べて非常に大きなSHGを示すことを発見した。4)15K2O-15Nb2O5-70TeO_2ガラスと15K2O-15W2O6-70TeO2ガラスの接合体は、2種類のガラス融液をアルミナボ-トに順次流し出す手法により作製した。ガラス同志の接合は十分に起こったが、熱処理するとガラス相と結晶化相の界面にクラックが生じた。これは、15K2O-15W2O6-70TeO2ガラスと15K2O-15Nb2O6-70TeO2透明ガラスセラミックスの熱膨張係数が大きく異なるためと推察された。また、アルカリ金属イオンの場合と違って、テルライト系ガラス中におけるNb^<5+>とW^<6+>の相互拡散はかなり起こりずらいことが明らかになり、本研究の目的を達成させるためには、もう少し拡散しやすい化学種、例えば、アルカリ土類金属イオンなどを含んだ安定なガラス系を利用する必要があることがわかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Takayuki Komatsu: "New transparent nonlinear optical tellurite-based glass-ceramics" Inorganic Materials. 33巻・10号. 1069-1074 (1997)
-
[Publications] Takayuki Komatsu: "Heat capacity changes and structural relaxation at glass transition in mixed-alkali tellurite glasses" Journal of Non-Crystalline Solids. 222巻. 206-211 (1997)