1997 Fiscal Year Annual Research Report
実践的シントン集約エナンチオ制御合成プロセスの開発
Project/Area Number |
09231205
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小笠原 國郎 東北大学, 薬学部, 教授 (60004602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 道康 東北大学, 薬学部, 教務職員 (80089789)
谷口 孝彦 東北大学, 薬学部, 助手 (90271915)
菅原 勉 東北大学, 薬学部, 助手 (50006350)
廣谷 功 東北大学, 薬学部, 助教授 (70192721)
|
Keywords | シクロヘキサジエノン等価キラル素子 / 3-置換シクロヘキサジエノン等価キラル素子 / 酵素的メソ不斉化法 / 触媒的メソ不斉化法 / キラル4級中心構築法 / メソ化合物 / 天然物合成 / Wittig反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は多様の対象物のエナンチオ制御下の構築に柔軟に適応し得るシクロヘキサジエノンのキラル等価合成素子の創製とその活用にある. これ迄の研究によってすでに,ベンゾキノンとシクロペンタジエンとの付加体から得たメソ対称3環性エンド1,4-エンジオールから酵素法ならびにキラルリガンド-金属触媒法の双方による基本キラル合成素子の任意の対掌体に到る効果的な手法を確立している.このキラル合成素子は(i)エノン部周辺へのジアステレオ選択的な修飾,(ii)逆ディールス・アルダー反応によるシクロヘキセン2重結合の復生,(iii)復生した2重結合へのジアステレオ制御下の修飾,すなわちキラルなシクロヘキサジエノンとしての機能性を発現する. 平成9年度においてはこれ迄未解決であったキラルな合成素子エノン部のβ-位への4級中心の構築という点に関して解決に取組み,目的を達成した.さらに確立した手法を活用し4級キラル中心を持つ天然物,多様の天然物の生合成前駆体である(-)-メバロン酸ラクトン,魚類忌避物質(+)-sporochnol A,淡水産らん藻より単離されたアルカロイド(-)-aphanorphine,Sceletiumアルカロイド(-)-mesembrine および(+)-Sceletium A-4,の合成を達成した.このうち(+)-sporochnol A および(+)-Sceletium A-4は本研究によってその絶対配置を明らかにした. 本手法はエノン部β-位へのトリフェニルホスフィンの1,4-付加によるホスホニウム塩の形成,同一容器中でのイリドの形成,Wittig反応によるエノールジエン誘導体の形成とその加水分解によるβ-位置換エノンの形成を含む.すなわち,本手法はキラルな3置換シクロヘキセノン等価キラル合成素子の獲得をも意味する.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Takashi Kamikubo: "Enantioconvergent Tactic for the Synthesis of (+)-Sporochnol A,the Fish Deterrent from the Caribbean Marine Alga Sporochnus bolleanus" Enantiomer. 2(3/4). 297-301 (1997)
-
[Publications] Masahiro Shimizu: "A new Synthesis of (-)-Aphanorphine by an Enantioconvergent Tactic" Heterocycles. 46(1). 21-26 (1997)
-
[Publications] Masahiro Shimizu: "A New enantiocontrolled synthesis of (-)-(R)-mevalonolactone" Terahedron : Asymmetry. 8(15). 2519-2521 (1997)
-
[Publications] Takashi Kamikubo: "First enantiocontrolled synthesis of Sceletium alkaloid A-4 : Determination of the absolute configuration" Chem.Commun.(印刷中). (1998)