1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09231224
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 俊郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30135628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Keywords | ポリオール / アセタール / 開裂反応 / 不斉合成 / 不斉非対称化 / キラルルイス酸 |
Research Abstract |
1,meso-1,2-ジオールの不斉非対称化:meso-ジオールより合成されるσ対称性環状アセタールのプロキラルなC-O結合の一方をエナンチオ選択的に切断できればmeso-ジオールの不斉非対称化誘導体が得られる。本反応はキラルシントンの合成法としてばかりでなく、潜在的な対称構造を有するポリオールの効率的合成法としても有用であると考えられる。L-フェニルアラニンより容易に調製できるフェニルホウ素錯体を用いることにより、対称性環状アセタールのエナンチオ選択的開裂反応に成功した。 2,meso-1,3-テトラオールの不斉非対称化:標的とするポリオール構造が潜在的な対称性を有する場合には、ジアステレオ選択的反応を用いて合成したmeso-体のポリオールを合成経路の最終段階で不斉非対称化し複数の不斉炭素を一挙に構築する方法が効率的であると考えられる。このような観点から、上記のエナンチオ選択的アセタール開裂反応を1,3-テトラオールのビスアセタール誘導体に適用することで、その不斉非対称化に成功した。 3,ラセミ体1,2-ジオールを原料とするtrans-エポキシドの不斉合成:ラセミ体の光学分割では最大限で半量の光学活性体しか入手できないが、両鏡像異性体を識別してそれぞれ同一の絶対配置を持つ光学活性体に変換することができれば、ラセミ体の全量を光学活性体へ導く脱ラセミ化反応が実現できる。エナンチオ選択的アセタール開裂反応を鍵反応に用い、ラセミ体1,2-ジオールより光学活性体trans-エポキシドを得る新規な不斉変換法を開発した。
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[Publications] Motoharu Kinugasa: "Desymonetrization of meso-1,2Diolsvia Chirol Lewis Acid-Mediated Ring-Cleavage of 1,3-Dioxane Derivatives" Journal of American Chemical Society. 119巻. 9067-9069 (1997)