1997 Fiscal Year Annual Research Report
シーケンシャルでキラルな炭素鎖高分子の層状ハイブリッド組織体
Project/Area Number |
09232237
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 大阪大学, 工学部, 教授 (90029322)
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Keywords | 炭素鎖高分子 / ハイブリッド / ステロイド / 包接結晶 / 包接重合 / キラル組織体 / ケノデオキシコール酸 / インターカレーション |
Research Abstract |
本研究では、ホストとなるステロイド(20から30量体のシーケンシャルでキラルな炭素鎖高分子に相当する)の誘導体を多数合成し、包接重合に適した包接結晶をつくり、層状あるいはらせん状の新しい高分子ハイブリッド組織体を合成することを目的とするが、本年度は次のような研究成果が得られた。 1.前年度に続いて、市販品のコール酸・エピコール酸・デオキシコール酸・エピデオキシコール酸・アポコール酸・ケノデオキシコール酸・ヒオコール酸・リトコール酸などから出発して、各種胆汁酸ステロイドの誘導体を合成した。 2.これらホストの包接能を再結晶法とインターカレーション法にて調べた結果、多数の誘導体が包接化合物を形成することが明らかになった。得られた包接結晶の立体構造をX線粉末あるいは単結晶構造解析により決定した結果、層状あるいはらせん状の集合構造をもつことが明らかになった。 3.各種モノマーの包接結晶をつくり、包接重合の可能性を調べた結果、ケノデオキシコール酸が有効であることがわかった。このホストはキラルならせん状集合体をつくるので、六角柱状の一次元空間で重合反応が進むことになる。この空間はキラルなので、プロキラルモノマーを用いれば光学活性ポリマーを得る方法になると期待できる。 4.上記ケノデオキシコール酸の包接化合物では、ゲスト交換が単結晶状態を維持しながら起こることが初めて明らかになった。これはらせん状の新しい高分子ハイブリッド組織体を得る非常に有効な方法である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Nakano: "Molecular Architecture of Steroidal Acids and Their Derivatives : Selective Acquisition of Polymorphic Inclusion Crystal of Cholic Acid." Progress in Colloid & Polymer Science. 106. 249-251 (1997)
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[Publications] Y.Miyake: "Inclusion Compounds of Hyodeoxycholic Acid and the Crystal Structure of a 1:1 Complex between the Acid and Pyridine." Chemistry Letters. 1263-1264 (1997)
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[Publications] 佐田和己: "コール酸アミド-ポリエチレングリコール包接体の形成と構造" 高分子論文集. 54・10. 754-755 (1997)
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[Publications] 佐田和己: "胆汁酸ステロイド誘導体を用いた新規包接重合系の開発" Polymer Preprints,Japan. 46・8. 1510-1511 (1997)
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[Publications] 菅原道泰: "ノルデオキシコール酸の包接現象とその分子集合様式" Polymer Preprints,Japan. 46・12. 2971-2972 (1997)
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[Publications] 中野万敬: "コール酸が形成する分子集合様式とゲスト分子との関係" Polymer Preprints,Japan. 46・12. 3259-3260 (1997)
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[Publications] 宮田幹二: "超分子をめざす化学、化学総説No.31" 学会出版センター, 217-227 (1997)
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[Publications] 宮田幹二: "分子認識化学一超分子へのアプローチ" 三共出版, 69-98 (1997)