1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09232241
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井原 栄治 広島大学, 工学部, 助手 (90243592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 源 広島大学, 工学部, 教授 (00028200)
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Keywords | 環状カーボネート / カプロラクトン / 希土類金属触媒 / 共重合 / 生分解性 / トリチルメタクリレート |
Research Abstract |
本研究の当初の目的は光学活性なbinaphthole基を有するSm(III)錯体またはCp環に光学活性なメンチル基またはネオメンチル基を有するSm(III)錯体を合成し,プロキラールなトリチルメタクリレートの重合を行い(R)または(S)体のポリマーを得る不斉重合を行うことにあった。しかし実際に重合を行ってみるといずれの触媒を用いても3-4量体しか生成せず,ヘリックスを巻けないので不斉重合は実現できなかった。 そこで平成9年度途中で研究テーマの大幅な見直しを行い「光学活性環状カーボネートの共重合と得られたポリマーの生分解性」ということに変更した。まず(R)-1-メチルトリメチレンカーボネートの重合を行ってみたが,得られたポリマーはフィルム形成能がなく実用的な面で問題があった。しかしこのモノマーとカプロラクトンとの共重合体(7:3-8:2)はフィルム形成能もあり,新しい生分解性ポリマーとして期待できる。また1-メチルトリメチレンカーボネートのラセミ体共重合体の生分解性についても検討したが,(R)-体と類似した挙動を示した。さらに(R,R)-1,3-ジメチルトリメチレンカーボネートとカプロラクトンとの共重合体および(S,S)-1,3-ジメチルトリメチレンカーボネートの共重合体についても検討を加えた結果,いずれも酵素分解をするが,1-メチルトリメチレンカーボネート共重合体に比べると生分解性は低下した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hajime Yasuda: "Rare Earth Metal Initiated Polymerizations of Polar and Nonpolar Monomers" J.Macromol.Sci.Pure Appl.Chem.A34. 1929-1942 (1997)
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[Publications] Hajime Yasuda: "Rare Earth Metal Initiated Living Polymerizations of Polar and Nonpolar Monomers" Adv.Polym.Sci.133. 53-102 (1997)
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[Publications] Hajime Yasuda: "Living Polymerizations of Polar and Nonpolar Monomers by the Catalysis of Organo Rare Earth Metal Complexes" Bull.Chem.Soc.Jpn.70. 1745-1765 (1997)
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[Publications] Eiji Ihara: "Synthesis and Olkefin Polymerization Catalysis of Divalent Sm Complexes with Bridged bis-Cp Living" Organometallics. 16(in press). (1998)
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[Publications] 安田 源: "希土類錯体を重合開始剤とした極性および非極性モノマーのリビング重合" 高分子論文集. 54. 641-649 (1997)
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[Publications] 安田 源: "希土類金属錯体によるアクリル酸系エラストマーの合成" 日本ゴム協会誌. 70. 1745-1752 (1997)