1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規キラルユニット導入による光学活性らせんポリマーの合成と構造
Project/Area Number |
09232252
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古荘 義雄 大阪府立大学, 工学部, 助手 (00281270)
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Keywords | キラル高分子 / らせん / CDスペクトル / ビフェニル / C_2キラリティー / ポリカーボナ-ト / オリゴカーボナ-ト / コットン効果 |
Research Abstract |
本研究では、新たな光学活性らせん高分子を合成することを目的として、新規キラルユニットとしてビフェニル基を選び、それを主鎖に持つポリカーボナ-トの合成とその構造について検討した。まず、新規キラルユニットであるC_2キラルビフェニル基(+)-2,2'-ビフェノール1は、3,5-ジメチルフェノールの酸化カップリングによりラセミ体を合成した後、その光学分割により得た。1の絶対構造は、1をbis(4-bromobenzoate)に導きそのCDスペクトルのCotton効果からR体であると決定した。1をトリホスゲンにより環状炭酸エステルモノマー(2)へ導き、ついで2をアニオン開環重合させ対応するポリカーボナ-ト4を得た。一方、2をメタノールで処理してポリマーのユニットモデル(3)とした。さらに、1の重縮合を行ない同様のポリマー4を得た。しかし、2から得たポリマーはほとんどが溶媒不溶であった。次に、4の構造を明らかにする目的で、対応する低分子モデルである2〜8量体オリゴマーを、1を出発原料として合成した。得られたポリマー(4)(THF中)、ユニットモデルである3並びに2〜8量体オリゴマーのCDスペクトル(シクロヘキサン中)を測定した結果、3と2及び4量体のCDスペクトルで強い吸収は認められなかったが、8量体及び4では同じ符号のCotton効果を持つ分裂型の強い吸収が210nm付近に認められ、二つの構造の類似性が示唆された。この結果は、ビナフチルの場合とよく一致しているが、ビナフチルの場合は4量体オリゴマーからすでにポリマーと類似のCotton効果が認められたのに対し、ビフェニルの系では8量体でそれが認められた。8量体の構造シミュレーションを行った結果、やや崩れたらせん構造が示唆されたことから、ビフェニル系はビナフチル系よりらせん構造をとりにくいと考えられる。
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[Publications] Toshikazu Takata: "Cyclic Carbonate,A Novel Expandable Monomer on……" Macromol.Rapid Commun.18. 461-469 (1997)
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[Publications] Toshikazu Takata: "Sulfur Analogu of Spirocyclic Orthocarbonate Capable……" Macromolecules. 30[22]. 6721-6726 (1997)
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[Publications] 高田 十志和: "ビナフチル基をもつ環状炭酸エステルの合成と重合" 高分子論文集. 54[12]. 974-981 (1997)
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[Publications] Natsuhika Azuma: "Cationic Ring-Opening Polymerization of……" J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.35. 1007-1012 (1997)
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[Publications] Natsuhiko Azuma: "Cationic Polymerization of Seren-membered……" J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.35. 3673-3682 (1997)
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[Publications] Toshiro Ariga: "Cationic Ring-Opening Polymerization of Cyclic……" Macromolocules. 30[4]. 737-744 (1997)
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[Publications] 高田 十志和: "大学院高分子科学" 講談社, 496 (1997)