1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメータ微粒子薄膜ブリッジ接合を用いた単電子デバイスの研究
Project/Area Number |
09233214
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
吉川 信行 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (70202398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 久善 横浜国立大学, 工学部, 助手 (30242382)
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Keywords | クーロンブロッケイド / シングルエレクトロミクス / 単一電子トランジスタ / 微粒子薄膜 / SET効果 / 単電子デバイス / マイクロブリッジ |
Research Abstract |
接合寸法が数nm以下の微小トンネル接合の2次元アレイからなる微粒子薄膜は、2次元伝導性を有するため、単電子トンネル効果が不鮮明となる。一方、我々は、微粒子薄膜のサイズを電荷ソリトン長よりも小さくすることで、その特性が疑ゼロ次元的になることを指摘した。また窒化ニオブ微粒子薄膜を用いたナノメータスケールの微粒子薄膜ブリッジ接合において、明確な単電子トンネル効果を観測し、電荷KT転移温度が外部電界の印加に対して敏感に変化することを見いだした。 本年度では、ナノメータスケールの微粒子薄膜ブリッジ接合における電荷KT転移温度が、外部電界の印加に対して劇的に変化することを利用し、高感度電界効果デバイスの実現を目指した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)良好な微粒子構造を有する微粒子薄膜の探索とその構造の評価を行い、Pd微粒子薄膜が、微粒子粒径が小さく均一で良好な微粒子構造を持つことを明らかにした。 (2)Pd微粒子薄膜を用いたブリッジ素子を作成し、低温での伝導特性を調べた。これにより、低温での電子伝導特性が、正負の電荷ソリトンの結合に起因した電荷KT効果に支配されることを見出した。また、理論から導かれる、KT転移温度と実験から得られた温度とを比較し、微粒子薄膜におけるKT転移温度が理論値よりも小さくなること、これらの転移温度の減少は、微粒子薄膜上の電荷トラップ効果に起因することを明らかにした。 (3)Pd微粒子薄膜をチャネルとした電界効果素子の製作を試みたが、Pdのシリサイドの形成により、良好なゲート絶縁膜が作成できず、今後の課題となった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Yoshikawa, H.Kimijima, N.Miura, M.Sugahara: "Single-Electron-Tunneling Effect in Nanoscale Grunular Microbridges" Japanese Journal of Applied Physics. 36. 4161-4165 (1997)