1997 Fiscal Year Annual Research Report
単一量子ドットならびに量子ドット配列への高周波印加効果の研究
Project/Area Number |
09233217
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 研一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10189988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 裕己 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90202069)
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Keywords | 量子ドット / 遠赤外磁気光吸収 / 光励起 / 時間分割 / ポテンシャル変調 |
Research Abstract |
GaAs/ALGaAsヘテロ構造上に電子ビーム露光とウェットエッチングにより量子ドット配列構造を作製した。現時点ではドットサイズは最小500mm程度までで、3×2mm^2の面積に10^6個の比較的均一度の高いドットを作製することが出来るようになった。しかしながらこのサイズは形状からみたものでありドット中の電子の感じるの閉じ込めポテンシャルのサイズはかなりこれより小さいものと考えられる。このような比較的大きな閉じ込めポテンシャルにおいては、閉じ込めポテンシャル形が放物線型からずれることが期待でき、これに伴う効果が期待される。実験は放電型遠赤外レーザーを用いて4.2Kにおいて行い。磁場は6.5Tまで印加した。時間分解測定においては励起光源としてキセノンフラッシュランプを用いた。時間分解能はこのパルスの半値幅1μsにより決まっている。このような条件下でドット配列の遠赤外磁気光共鳴吸収測定を行った。吸収ピークの波長依存性より閉じ込めポテンシャルが2meVであること放物線型ポテンシャルにおいて予測される2つのモードで良く表せることが分かった。さらに時間分解測定より、パルスバンドギャップ光励起後、ドット内電子による吸収ピークが励起後100μs程度ゆっくりした時間変化を示すことが明らかになった。吸収形変化はピーク位置の移動と線幅の増大という特徴を持ち、励起直後ではピーク移動量は4%、線幅の増大は30%ほどになることが分かった。この観測された吸収形の変化はドット内電子の関与したエネルギー緩和過程を見ているのではなく、閉じ込めポテンシャルの変化を観測したものと考えることにより説明がつくことが分かった。このようなバンドギャップ光誘起のポテンシャル変化の観測例はこれまでになく、遠赤外磁気光吸収の時間変化を調べることで、閉じ込めポテンシャル中の電子のみならずポテンシャル自体に関する新たな知見を得られることが可能にであることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Fujii et al.: "Time resolved far-imfrared magneto-optical absorption of a quartum dot array" Solid State Electronics. 1740. (1998)
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[Publications] T.Okashita, H.Kobori and T.Ohyama: "Resonant-Photolectromagnetic Effects in Far-infrared Regions for Compound Semiconductors" J.Phys,Soc,Jpn.67. 675-678 (1998)