1997 Fiscal Year Annual Research Report
振動台実験による都市直下型地震の破壊特性の評価に関する研究
Project/Area Number |
09234204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 範夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50250725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 道夫 東北大学, 工学部, 助手 (90005504)
小川 淳二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30005508)
柴田 明徳 東北大学, 工学部, 教授 (30005251)
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Keywords | 振動台 / 地震動破壊力特性 / 鉄筋コンクリート / エネルギー応答 / 直下型地震 / 応答変形推定 |
Research Abstract |
本研究では,兵庫県南部地震でも被害が特に多くみられた鉄筋コンクリート造建物を主な対象として,都市直下型地震動のどの特性が動的破壊力として有効なものであるかを明らかにすることを目的としている。 そのため,まず記録地震動の破壊特性を再整理することが必要であり,地震動が及ぼす繰返し効果による累積的な破壊力と,瞬間的な過大入力による破壊力の両者を定量的に比較できる指標として,本研究ではエネルギー応答の概念を用いている。ここでは履歴ループ1/2サイクルの時間における瞬間的なエネルギー入力を定義し,地震動による構造物へのエネルギー入力過程を検討することによって地震特性の違いをよく評価できたといえる。また瞬間的なエネルギー入力とそのときの構造物の応答ループ形状を対応づけることによって,瞬間的な大変形を与える直下型,共振的な応答を励起する海洋型などの,地震動の破壊力特性を考慮して地震時応答変形を推定する一手法を示した。 さらに、以上の検討に基づいて,直下型地震と海洋型地震の特性を反映した模擬地震動を作成し、鉄筋コンクリート柱の縮小模型試験体による振動実験を行った。これは4本の柱,剛な梁,頂部重量からなる同一の試験体を3体作成し,1体は静的載荷実験,2体は異なる特性を持つ模擬地震動による動的振動台実験を行ったものである。慣性力-変形関係などの実験結果の検討によって,地震動の破壊特性に関するいくつかの知見が得られ,解析的検討結果も併せて総合的に評価し,地震動の破壊特性と都市直下型地震に対する耐震設計に用いるべき設計地震力に対する考察を行った。
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[Publications] ウンリュウハン・ヒサ: "異なる特性を持つ地震動を受ける鉄筋コンクリート柱の振動台実験" 東北地域災害科学研究. 第34巻(掲載予定).
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[Publications] 井上 範夫: "瞬間入力エネルギーによる地震動の破壊特性評価と応答変形の推定" 日本建築学会 兵庫県南部地震公開シンポジウム論文集. 123-128 (1997)
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[Publications] 堀 則男: "瞬間的なエネルギー応答に基づいた地震動の破壊力特性" 第2回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集. 163-166 (1997)
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[Publications] 井上 範夫: "入力地震動の破壊特性の評価と建物の履歴性状について" 1997年度日本建築学会大会 災害部門研究協議会資料. 19-22 (1997)
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[Publications] 井上 範夫: "RC構造物の応答に対する地震動のエネルギー入力性状の影響" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.19. 531-536 (1997)