1997 Fiscal Year Annual Research Report
兵庫県南部地震による堤体被害の要因分析およびデータベース化
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09234230
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤井 弘章 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (70033264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 伸一 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (30198501)
島田 清 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20123234)
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Keywords | 地震災害 / 小フィルダム(ため池) / 被害要因 / 多変量解析 / 兵庫県南部地震 |
Research Abstract |
【目的】兵庫県南部地震により、淡路島では944個ものため池が被害を受けた。本研究は、被害の多かった淡路島北部の5町、特に北淡町を中心に、被害・無被害ため池を調査・整理して要因を探り、統計的・地盤工学的分析しデータベース化しようとする。 【方法】被害・無被害に関わる要因として、各ため池の位置(断層・震源への距離、標高)、構造(堤軸の方向、形状、大きさ等)、築堤材料の特性、ダムサイトの地質、履歴(築堤年代・漏水・改修等)を選定した。これらに関わる淡路島北部5町の2071個(内被害ため池425個)のため池の資料、および地盤工学的なデータ(当方の行った上記の内約40箇所の現地調査・土質試験結果、10個の弾性波探索結果)を集めた。これらに、一般的な統計的分析および多変量解析を行った。 【結果】北淡町の場合、被害に関わる要因は、(1)最も近い断層が水越・野島・浅野断層、(2)その距離が250〜1000m、(3)震源からの距離が概ね12km以内、(4)標高100m以上、(5)堤体の大きい、(6)震源および断層に対し、堤軸が正対・直交・その対角線付近、(7)堤軸の形状が複雑、(8)ダムサイトの地質が粘土、砂礫の土質地盤、(9)100年以上経過、(10)堤体材料が粘性土系より砂質土系、強度(貫入抵抗)も小、(11)堤体に生じたクラックは、堤軸に対して45度、135度の方向が最も多い、(12)堤体長に対するクラックの比は、砂粒土方が大きく、(13)また被害ため池の基盤は無被害ため池より深く、(14)一般的な統計と多変量解析を併用することは有効等がいえる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 藤井弘章他: "兵庫県南部地震による淡路島のため池被害の要因分析" 第24回地震工学研究発表会論文集. 1141-1145 (1997)
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[Publications] 藤井弘章他: "逆解析によるフィルダムの間隙水圧の予測" 地盤工学における逆解析の適用と施工管理に関するシンポジム発表論文集. 175-180 (1997)
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[Publications] 藤井弘章他: "築堤中および貯水中のフィルダムの挙動からの変形定数ならびに強度定数の同定" 地盤工学における逆解析の適用と施工管理に関するシンポジム発表論文集. 181-184 (1997)
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[Publications] 西村伸一, 藤井弘章他: "液状化対策地盤改良に関する信頼性設計" 第24回地震工学研究発表会論文集. 493-496 (1997)
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[Publications] 西村伸一, 藤井弘章他: "二次圧密を考慮した2次元圧密の逆解析" 地盤工学における逆解析の適用と施工管理に関するシンポジム発表論文集. 103-106 (1997)