1997 Fiscal Year Annual Research Report
NO合成酵素のカルモジュリン、脂質、リン酸化による活性調節機構
Project/Area Number |
09235231
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
谷口 寿章 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (10257636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 守 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (90288481)
林 宣宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (80267955)
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Keywords | カルモジュリン / 一酸化窒素合成酵素 / リン酸化 / リン脂質 / カルシウム / 構造解析 |
Research Abstract |
内皮細胞型NO合成酵素(eNOS)は、刺激に応じた細胞内移行を示し、細胞内局在の変化がeNOSの活性調節に重要な役割を果していることが示唆されている。我々はeNOSのカルモジュリン結合部位が、直接酸性リン脂質結合部位となっており、この部位へのカルモジュリンの結合、或はこの部位のCキナーゼによるリン酸化によりeNOSの脂質膜との相互作用が調節されていることを明らかにした。種々のリン脂質がNOSの活性を阻害することが報告されており、その脂質特異性と、我々が見出したカルモジュリン結合部位への脂質結合における脂質特異性との間に、明らかな相関が見られることから、脂質によるNOSの活性調節において、カルモジュリン結合部位における脂質とカルモジュリンの競合が起っていることが明らかである。本年度はさらに、3種類のNOS由来のカルモジュリン結合ドメインとカルモジュリンとの結合における異なるCa^<2+>感受性の由来を解析した。eNOSとnNOSは通常のカルモジュリン結合蛋白質と同様に、カルシウム存在下のみにカルモジュリンと結合し、その活性が上昇するが、マクロファージ型のiNOSは、Ca^<2+>感受性を示さず、常にカルモジュリンを結合している。3つのアイソザイムのカルモジュリン結合部位に相当するペプチドを合成し、カルモジュリンのCa^<2+>感受性を検討したところ、iNOS由来のペプチドはCa^<2+>非依存的にカルモジュリンと結合する事が明らかとなった。カルモジュリンとの結合は、Ca^<2+>存在下で数nM、非存在下で数十nMと高い親和性を示した。このことから、iNOSのカルモジュリン結合部位は、非常にユニークな性質を持つ事が明らかとなった。
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[Publications] Matsubara,M.,et al.: "MARCKS,a major protein kinase C substrate, assumes nonhelical conformations both in solution and in complex with Ca^<2+>-calmodulin" FEBS Lett.421. 203-207 (1998)
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[Publications] Matsubara,M.,et al.: "Circular Dichroism and ^1H NMR studies on the structures of peptides derived from the calmodulin-binding domains of inducible and endothelial nitric oxide synthase in solution and in complex with calmodulin." J.Biol.Chem.272. 23050-23056 (1997)