1997 Fiscal Year Annual Research Report
電子および集束イオンビームを用いた磁性薄膜のナノ加工と磁気特性の評価
Project/Area Number |
09236215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蒲生 健次 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 淳一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (60239803)
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Keywords | 磁性薄膜 / トンネル接合 / 超微細加工 / 電子ビームプロセス / 集束イオンビームプロセス / 環境インピーダンス / スピンエレクトロニクス / 単電子トンネルトランジスタ |
Research Abstract |
磁性体薄膜の超微細加工を目指し、これまで主に半導体の超微細加工の分野で用いられてきた電子ビーム(EB)および集束イオンビーム(FIB)を用いた加工プロセスについて検討を行った。 すでに報告されている強磁性体のトンネル接合よりもさらに微細な構造を斜め蒸着法によって作製するため、微細パターンを持つ蒸着マスクの作製と基板上での安定な支持を実現するためのEBプロセスを検討した結果、100nm × 200nm程度の微細な穴が200nm間隔で並んだAuマスクを、PMMAレジストにより基板の上300nmにしっかりと固定された形(エア-ブリッジ型)で作製することができた。これを用いる斜め蒸着の条件を最適化することにより、数〜数10nm^2の接合面積を持つ微小な強磁性トンネル接合が実現できるものと思われる。 一方、マスクレスエッチングの特徴を生かしたFIBプロセスによる強磁性体のトンネル接合を作製する新たなプロセスを提案し、そのための基礎過程についても明らかにした。これはNi薄膜上にレジストを塗布した試料にFIB照射でV字型溝を形成し、露出したNi薄膜を酸化させた後にさらに磁性金属の蒸着・リフトオフにより、酸化物で挟まれた狭い領域に新たに島状構造を形成する方法で、最も重要なプロセスであるV字型溝の形成のため、Ni、AZレジストのFIBによるスパッタレートを測定し、さらに形成したV字型溝の断面を観察した。この結果、ビーム径と同程度の幅の溝が形成されることが確認された。 これらの方法を用い、微細な構造を持つ単電子トンネルトランジスタを環境インピーダンスで制御したり、強磁性体を用いないGaAs系でスピン・軌道相互作用を利用して電子のスピンを制御するトランジスタのための基本構造を試作し、基礎データを得た。EB、FIBいずれの場合も、実際のトンネル接合の形成とその電気伝導特性の評価は次年度以降の研究課題として残された。
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