1997 Fiscal Year Annual Research Report
プローブ顕微鏡を用いた光半導体電極ナノ界面における電子移動反応制御
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09237251
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三澤 弘明 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30253230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 繁樹 徳島大学, 工学部, 助手 (20294720)
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Keywords | 光触媒反応 / 光還元反応 / 酸化チタン / 白金 / 塩化白金酸 / ナノパタ-ニング / 表面準位 |
Research Abstract |
酸化チタンは,水の光分解など様々な光触媒反応に利用されている。近年,酸化チタン単結晶や粉末に光電気化学的に白金を堆積することにより,さらに大きな光還元触媒反応が誘起されることが見い出され,それを用いた種々の研究が進められている。また最近では,同様な光電気化学的なウエットプロセスによる〜10μm程度の空間分解能での白金のパタ-ニングが報告されている。本研究では,集光レーザービームや近接場顕微鏡を用い,ナノメートルオーダーの空間分解能で白金を酸化チタン単結晶表面にパタ-ニングし,ナノ空間における白金生成のメカニズムをAFMなどを用いて解明することを試みた。 酸化チタン単結晶と石英ガラスの間に塩化白金酸水溶液をはさみ,光学顕微鏡の対物レンズ(100倍,開口数1.35)を用いて溶液側から酸化チタンの表面に380nmのフェムト秒レーザー光を集光照射したところ,照射した部分にのみ白金が堆積することが確認された。白金堆積の波長依存性から,この反応は塩化白金酸水溶液の光吸収によるものではなく,酸化チタンの光吸収によるものであることが明らかとなった。レーザー光を照射しながら酸化チタン単結晶をピエゾステージで移動したところ,〜400nm程度という,ほぼ光の波長と同等の分解能で白金のパタ-ニングを行うことに成功した。白金が堆積した酸化チタンの表面を原子間力顕微鏡で観測したところ,堆積は一様に生じているのではなく,数十ナノメートルオーダーの山状の白金が連なった形で堆積していることが明らかになった。この結果は、光電荷分離により発生した伝導電子をトラップした表面準位から白金の成長が開始し,白金が堆積することによりさらにその付近の光還元反応が起こりやすくなり,白金が山状に堆積したものと考えられる。
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[Publications] T.Takahashi, S.Matsuo, H.Misawa, et al.: "Morphology Dependent Resonant Lasing of a Dye-doped Microsphere Prepared by Nonlinear Optical Material" Thin Solid Film. (in press). (1998)