1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09238250
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 三郎 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (40081343)
|
Keywords | 面性キラリティー / ^3η-アリル錯体 / 立体選択的 / ジエンポリマー / 光学活性 / ニトロシル配位子 / γ-アミノカルボン酸 / 光学活性ポリマー |
Research Abstract |
本研究は,面性キラル鉄錯体の合成とその錯体を用いる新規な反応を開発することを目的として,1)面性キラルな(η^3-アリル)ジカルボニルニロトシル鉄錯体の合成,2)その求核試薬との反応,3)(η^4-ジエン)トリカルボニル鉄ユニットを主鎖にもつ光学活性な高分子の合成について検討し,以下の成果を得た.1)光学活性なアリルトシレート1とトリカルボニルニトロシル鉄酸塩(TBAFe)との反応は立体選択的に進行し,面性キラルな錯体が高選択的に得られた.また,この立体選択性は溶媒に依存する.すなわち,トルエン,アセトン,THF中ではS_N2機構で進行するため,1から立体反転した錯体が選択的に生成した.一方,TBAFeへの配位能の高いアセトニトリル中では,立体保持した錯体が生成した.2)面性キラルな(η^3-アリル)ジカルボニルニトロシル鉄錯体は炭素アニオンおよびアミンと位置選択的,立体選択的に反応することがわかった.特に,アリル配位子にカルボキシル基をもつ錯体とアミンとの反応では,光学活性なγ-アミノカルボン酸が効率よく生成した。また,これらの求核試薬のアリル配位子への攻撃は鉄原子の反対側から起こることを明らかにした.3)ジエンユニットをもつ高分子を合成し,これと不斉錯体化試薬との反応で,面性キラルな(η^4-ジエン)トリカルボニル鉄ユニットを主鎖にもつ高分子を合成した.これらの成果は,有機合成化学および有機金属化学の発展に多大の貢献をするものと考えられる.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Hiroshi Yamaguchi: "Asymmetric Induction via Planar Chiral…" Synlett.722-724 (1997)
-
[Publications] Saburo Nakanishi: "Application of ^3η-Allylcarbonyliron Complexes to…" Review on Heteroatom Chemistry. 17. 153-182 (1997)
-
[Publications] Saburo Nakanishi: "Preparation,Ligand Substitution,and Structure…" Bull.Chem.Soc.Jon.71[2]. 403-412 (1998)